研究分担者 |
町田 茂 京都大学, 理学部, 教授 (30025233)
大貫 義郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022532)
坂井 典佑 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80108448)
益川 敏英 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60022612)
静谷 謙一 東北大学, 理学部, 助手 (50154216)
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研究概要 |
本年度は研究計画の最終年度にあたるので,実施計画に基いて研究連絡と課題の調整を行いながら,これまでにえられた成果を総合的に検討した. 本年度にえられた主な成果を列記すると 1. 異常項とゲージ場の理論 大統一ゲージ理論をはじめとする素粒子の統一理論は, 理論の構築にあたり異常項の相殺をその指導原理の一つとしている. これが人工的な原理であるのかどうか検討し直す必要がある. 益川はこのような観点から検討を行い次の結論をえた. 一般に異常項を含むゲージ理論は,(1) 理論がつくれない. すなわち運動方程式が相互に矛盾する. (2) 理論が摂動展開できない,(3)理論の当初の対称性が失われる,と考えられている. しかし (1),(2)は拘束條件のある理論と考えればよい.また(3)は異常項の発生によりWーZ項が現れてむしろ理論の対称性を保持していると考えるべきである. 静谷は二次元カイラルゲージ理論においてクエルミオンのセクターを分析し ある種の双対性構造の存在することを示した. 2 クオークの閉じ込めの問題 カラー粒子の閉じ込めについて西島はくりこみ群の方法により,世代数が4以下であればよいことを示した. 3 カイラル対称性の自発的破れとハドロンの有效理論 藤原はハドロンの有效理論として南部・ゴールドストーン粒子のほかにべクトル,擬べクトル粒子を含む非線形模型を現象論的な観点から詳細に調べた. なお,本研究班のしめくくりを兼ねて,研究集会「ConFormal場とAnomaly」を昭和62年11月11日〜13日,東大原子核研究所において開催した.
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