研究課題/領域番号 |
60302039
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大路 清嗣 阪大, 工学部, 教授 (20028939)
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研究分担者 |
鳥居 太始之 岡山大学, 工学部, 助教授 (80033249)
田中 啓介 京都大学, 工学部, 助教授 (80026244)
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
向井 喜彦 大阪大学, 工学部, 教授 (20029044)
小林 英男 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00016487)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 破壊力学 / 材料強度 / 疲労き裂伝ぱ / 寿命推定法 / 残留応力 / き裂開閉口 / 有効応力拡大係数繁囲 |
研究概要 |
本研究では、残留応力場における疲労き裂伝ぱ寿命の簡便かつ精度のよい推定法を、残留応力効果が顕著で工業的重要性の高い線形破壊力学適用範囲内で開発し、有効性を実証した。この推定法の基本構想は、(1)残留応力試験片の弾性的なき裂開口応力を弾性解析より求め、これをもとに繰り返し荷重下の実効的な応力比Rを決定する、(2)無残留応力試験片について、Rをパラメータとしてき裂開閉口およびき裂伝ぱ特性を実測する、(3)Rを媒介として無残留応力試験片と残留応力試験片のき裂伝ぱ挙動を関連づけ、残留応力場におけるき裂伝ぱ挙動を予測するものである。各種残留応力場における疲労き裂伝ぱ寿命推定に関する本手法の有効性の検証、寿命推定法の拡張を中心に、実験および数値解析により検討を行い、以下の結果を得た。 1.溶接および水冷処理により導入された対称残留応力場および非対称残留応力場を有する試験片の疲労き裂伝ぱ寿命を、本推定法により評価し、推定法の有効性を実証した。 2.残留応力の匂配が急な場合などには、弾性計算で求めたRおよびΔKとき裂長さの関係を無残留応力試験片でシミュレートする方法によりき裂伝ぱ寿命が精度よく推定できることがわかった。 3.き裂伝ぱ経路は、残留応力分布の形に依存せず、ほぼ繰り返し引張り圧縮荷重軸に垂直であった。 4.残留応力場で定常な変動荷重を受ける試験片の疲労き裂伝ぱについても、本手法により寿命推定が行えた。 5.再分布した残留応力が与えられた場合の初期残留応力分布および疲労き裂伝ぱ寿命の推定法が提案され、その有効性が数値的に確認された。 6.三次元き裂に対し、残留応力場の影響を考慮する方法が提案された。7.平滑試験片および切欠き試験片の微小き裂および下限界領域のき裂開閉口に及ぼす塑性変形、酸化物および破面粗さの影響が調べられた。き裂開閉口およびき裂伝ぱ挙動を予測するモデルが提案された。
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