研究分担者 |
茂里 一紘 広島大学, 工学部, 助教授 (90011171)
波多野 修次 広島大学, 工学部, 教授 (70034288)
宮田 秀明 東京大学, 工学部, 助教授 (70111474)
梶谷 尚 東京大学, 工学部, 教授 (80010693)
中武 一明 九州大学, 工学部, 教授 (70037761)
|
研究概要 |
船の造波抵抗を理論的に算定する方法は、線形理論,高次近似理論,低速造波理論と発展してきたが、非線形影響と粘性影響の導入が強く望まれている。これらの影響を解析的に導入することは非常に困難なため、最近はコンピュータの発達と共に、純数値的な解法を用いて船体の造波抵抗を求めようとする傾向にある。本研究の成果は次の通りである。 1.東大では、ナビエ・ストークスの方程式を基礎とする差分法による船体のまわりの流場の計算法の開発を行った。初年度は粘性影響を考慮せず、船体形状を近似的に表わすプログラムによる波流れの計算を行ったが、本年度は、粘性モデルと物体適合座標系の導入によって、レイノルズ数が【10^4】の場合の波流れ及び粘性流れの計算を行った。多くの計算時間と費用を必要とする点が難点であるが、応用範囲が広く、更に今後の発展が期待されている。 2.広大では、非線形影響と粘性影響を取り入れた境界要素法による波流れの計算法を発展させている。本年度は粘性流れを求めるために、物体適合座標系を導入して、渦拡散方程式を差分法によって解いて粘性流場の計算を行った。また自由表面下の粘性流れの乱れの計測を行い、一方で船体沈下量が波流れに及ぼす影響を調べた。 3.九大では、初年度は、非線形影響を入れた境界条件を境界要素法によって解き、没水円柱、楕円柱まわりの波流れを計算し、計算法の有効性を確かめた。本年度は、レンズ船型,ウィグレイ船型,シリーズ60船型まわりの波流れと造波抵抗を求め、本計算法が実用上有効であることを確かめた。
|