研究分担者 |
緑川 光正 建設省建築研究所, 企画課, 審議官 (90126285)
久保寺 勲 巴組鉄工所(株), 構造部, 部長
石田 和人 愛知工業大学, 工学部, 講師
小河 利行 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20126270)
滝口 克己 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10016644)
KUBODERA ISAO Chief Engineer of Tomoegumi Iron Works, Ltd.
NAGAHASHI SUMIO Prof. of Nagasaki Institute of Technology (50016523)
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研究概要 |
本研究は各種外力を受ける大スパン鉄骨トラス構造の保有耐力をトラス構造の特性を踏まえ、具体的に明らかにすることを目的としている。前年度においては、この種構造物に作用する積雪荷重,風荷重,地震力等の外力を設定し、これら外力の組み合せ荷重下での鉄骨トラス部材,鉄骨トラス骨組の基本的な復元力特性を部材実験,骨組実験および非線形解析により明らかにしてきた。これらを踏まえ、本年度は1.トラス骨組構造の設計用構造特性係数の設定,2.トラス骨組柱脚ディテールの開発,3.大スパン鉄骨トラス構造の保有耐力設計指針の提示を研究目的とした。構造用特性係数の設定に関しては、実験結果を基にして、トラス部材,骨組の力学特性をモデル化し、塑性変形能力を定量的に評価した。これにより塑性化する部材のエネルギー吸収量を把握し、各種外力に対しトラス部材が必要とする変形能力を評価することで構造特性係数を定めた。2.に関しては、断面せいが大きいトラス柱の柱脚の固定度を明確にすることを目的とし、ピンあるいは固定となる柱脚のディテールを開発し、片持梁形式の載荷実験によりその応力分布,反力分布を明らかにすることで、ピンあるいは固定として必要なベースプレート厚,板幅,必要ボルト数等を求めた。これらの実験で得られた知見を総合し、また実施設計されたトラス骨組等を調査し、設計実務者の意見を参考にすることで、3.で目的とした大スパン鉄骨トラス構造の保有耐力設計指針および参考資料を提示した。これと同時に、この設計指針はいくつかの仮定条件を踏まえたものであるため、本指針を適用する上で必要な各種条件(隅角部の横座屈防止,トラスパネル破断の防止,ガセットプレート接合方式,トラス部材の幅厚比制限,ラチス材の破壊先行の防止,等)を構造細則として提示した。
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