研究概要 |
1.ローカルソイルの物理的性質:島尻泥岩の風化に伴う劣化は、乾燥過程における結合物質の破壊と湿潤過程の膨潤によってもたらされる。島尻泥岩の固結に最も関与している結合物質は遊離の鉄,アルミニウムである。2.締固めによる土質改良:締固め土の透水性は飽和度に関係する。飽和土の透水係数測定に、バックプレッシャーを使用することは有効である。締固めたシラスの高庄三軸排水試験から、密づめ試料は側庄10kgf/【cm^2】から粒子破砕が発生し、緩づめ試料は10kgf/【cm^2】未満の側庄の下で発生するが、高庄領域における強度常数には変化がないことを示した。3.異種土の混合による土質改良:高含水比であるため過剰締固め効果のでるオンジャクに砂岩風化土を混合することにより、トラフィカビリティは向上することは勿論、均等係数が大きくなるため遮水性もよくなる。シラスとクロボクの混合土は、シラスの混入率50〜60%において、透水係数【10^(-5)】cm/secのオーダー,圧縮指数0.2以下,圧縮強度がクロボクの5倍以上になる。混合土は盛土材として有用である。4.改良剤による土質改良:軟弱な有明粘土の工学的性質を改良するため3種の改良剤を使用した。セメント,石灰は粘土の粒度組成を砂的なものに改善し、ソイルマスターは粒度を変化させない。いずれの改良剤もC材料をC,φ材料へと改良する。同一量の改良剤を使用する場合、生石灰が最も効果的である。5.農地・盛土斜面の安定:島尻泥岩の地すべりにおいて、すべり面は流れ盤構造となっている層理面や断層面に強く規制されながら、一部岩体部を剪断して形成されている。斜面の応力・変形解析プログラムの開発を終予し、実際地盤への適用を検討している。6.ローカルソイルの侵食特性:九州・沖縄に分布するローカルソイルを対象として、土の粒度,密度,透水性,団粒化度,侵食率,分散率等の土性と水食との関連を明らかにすると共に、受食性の評価指標の確定を行っている。
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