研究分担者 |
野辺地 篤郎 聖路加国際病院, 放射線科, 顧問
細田 裕 放射線影響研究所, 臨床部, 部長
志田 寿夫 珪肺労災病院, 放射線科, 部長
館野 之男 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 部長
宮道 寿一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (50107166)
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研究概要 |
3年間にわたる本研究の成果を要約すると以下のようである. 1.じん肺X線写真データベースの整備 じん肺自動診断アルゴリズムを効率よく開発するために, 診断結果の明らかな症例, すなわち, 粒状陰影の密度と形・サイズが予め分かっている症例をデータベースとして完備した. データベース化したものは, ILO標準フィルム17例, ドイツ補助標準, ACR教育用および日本標準フィルム26例, FCR画像44例である. FCR症例では確定診断に対応して陰影が典型的に存在する領域も決定された. 2.ディジタルX線画像の読影に及ぼす影響の解明 自由な階調処理, 画像処理が適用可能なディジタルX線画像が読影に及ぼす影響について検討し, 次のことが明らかとなった. フィルムサイズが面積で1/4に縮小されたものでも, 適当な画像処理を行えば原寸と変らない精度の読影が可能であること, 周波数強調が強すぎると密度分類が高くなる傾向があり, 階調処理のみでは低くなること, などである. 今後, ディジタルX線画像のじん肺標準フィルムの作成に研究を進展させる予定である. 3.自動診断システムの開発 テクスチャ解析に基づく手法およびじん肺陰影の個別抽出に基づく手法それぞれ3種類について検討を進め, 正常/異常の分類では90%前後, 0, 1, 2, 3型の大分類では70%程度の診断率を達成した. これらの手法を組合わせることにより, 単一の手法を大幅に上廻る診断率を実現することは可能と思われ, 現在その検討を進めている. 近いうちに実現させる予定である.
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