研究分担者 |
多田 隆治 東京大学, 理学部, 助手 (30143366)
西村 年晴 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00011750)
岡田 尚武 山形大学, 理学部, 助教授 (80111334)
的場 保望 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (30006663)
高柳 洋吉 東北大学, 理学部, 教授 (70004299)
|
研究概要 |
1.青森県上北郡七戸町において合同調査を9月初旬に実施し, 和田川ルート沿いに千分の1柱状図を作製し,岩相層序を確立した. 本ルートの下限は断層により切られて露出しない. 最下部の四つ沢層は,下から酸性凝灰岩・葉理珪質頁岩と軽石質砂岩互層・スランプ堆積物の3部層に分けられ,全層厚800m以上である. その上に整合に重なる和田川層は暗灰色塊状泥岩から成り,層厚は650mであるが,上限は安山岩溶活に被覆される. 2.微化石分析の結果,四ツ沢層珪質頁岩部層の最下部より石灰質ナンノ化石のCN4,同部層上部よりCN5Aを示す群集を発見することができた. また, 和田川層下部からはCN5B〜CN8を示す群集が得られた. この結果, 従来層位の不明確であった青森県下の脊積山脈東側の四ツ沢層珪質頁岩は中期中新世下半に属することが確実になった. また, 和田川層は中期中新世上半から後期中新世前半を示す可能性が強い. 珪質頁岩と泥岩の統成変化が進んでいて, 珪藻化石は残っていなかった. 3.堆積岩石学的研究については目下各種分析を実施中である. 4.研究分担者が集まって, 11月14日東京大学において最終研究成果報告会を開催した. 相互の成果について交換し, 打合わせた上,最終成果報告書に〓められた. 5.本総研(A)の成果を基にさらに研究を発展させるため,太平洋東岸カリホルニヤ沿岸部の中新統珪質頁岩層と日本のものとを比較検討する必要があり米国側研究者とも打合わせて, 日米科学協力セミナー「第三紀珪質堆積物」を1989年に開催すべく準備を進めている.
|