研究分担者 |
大町 北一郎 山形大学, 理学部, 教授 (80134146)
久米 昭一 大阪大学, 教養部, 教授 (00029604)
針谷 宥 北海道大学, 理学部, 教授 (50000815)
廣渡 文利 九州大学, 理学部, 教授 (50037157)
藤野 清志 愛媛大学, 理学部, 助教授 (40116968)
|
研究概要 |
昭和60年度から61年度にかけて総合研究の結果,次のような成果があった。 【I】 鉱物の結晶化学的研究高圧下で合成された正方晶系に歪んだざくろ石(MnSi【O_3】の結晶構造,二酸化マンガン鉱の結晶構造,同じく二酸化マンガン鉱に見られる結晶構造の不整,FeやScを含むペロフスカイト等の構造の特徴と、構造中の遷移元素の役割等が明らかになった。 【II】 鉱物の同定記載に関する研究共存するテフロ石,ソノ石,アレガニー石の化学組成とその相互間の元素の分配の規則性が明らかになった。また北海道のマンガン鉱床に産する多くの硫化物鉱物の化学組成やその鉱物学的特性が分った。さらに、領家帯に産する高温変成作用を受けたマンガン鉱床の鉱物組成,共生関係が福見川鉱山のものについて記載された。 【III】 鉱物の合成的研究マンガンと鉄を含むカンラン石とばら輝石の単結晶育成が行なわれ,とくに端成分組成だけでなく,固溶体組成についても育成が行なわれ,その合成に成功した。また【R_2】【Mn_2】【O_7】のパイロクロアについて、Rに種々の遷移元素を入れたものを酸化雰囲気下で合成し、その鉱物学的性質とイオンとの関係を明らかにした。またベメント石の熱水処理による変化も分って来た。 【IV】 鉱物の鉱床学的研究九州の秩父帯に産するマンガン鉱床の生成した地質時代を、放散虫化石によりジュラ紀のものであることを明らかにした。また、浅熱水性鉱床に産するマンガン珪酸塩鉱物の産状と化学組成の関係,海洋底に産するマンガン団塊,マイクロノジュールの化学組成も明らかにされた。
|