研究分担者 |
吉永 長則 愛媛大学, 農学部, 教授 (20036289)
和田 光史 九州大学, 農学部, 教授 (90038159)
庄子 貞雄 東北大学, 農学部, 教授 (10005605)
高田 秀夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (90032086)
加藤 芳朗 静岡大学, 農学部, 教授 (70022051)
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研究概要 |
本研究は、日本における黒ボク土(火山灰土)の第一線研究者による日本の黒ボク土の特徴の解明とその国際的対比を目的としている。本年度は10月19日〜22日の間長野県及び群馬県の高標高多雪地域に分布する黒ボク土4地点について総合研究参加者全員による現地調査を実施し、詳細な断面記載を行うとともに、室内分析用の土壌試料を各断面から5〜7層採取した。これらの試料20数点について、前年度と同様に各研究分担者が以下の分担により詳細な分析を行った。 1,土壌無機成分:土壌酸性及びばん土性(井上克弘)、リン酸吸着及びアルミニウム(天野洋司)、陽イオン交換容量と荷電特性(高田秀夫)。 2,土壌有機成分:全炭素、全窒素及び腐植組成(本名俊正)、腐植の形態分析及び官能基(新井重光)、腐植の簡易法による判定(大羽 裕)。 3,土壌母材・一次鉱物:強磁性鉱物による母材の岩質判定及び細砂粒子の検鏡による一次鉱物組成の判定(庄子貞雄,山田一郎)。 4.土壌粘土鉱物:土壌の粒往組成及び粘土部分の示差溶解法及びX線囘折法による粘土鉱物組成の判定(和田光史,吉永長則,溝田智俊)。 5.土壌物理性:構造非破壊試料による土壌の三相分布、容積重及び土壌水分恒数とpF-水分曲線(前田 隆,相馬尅之)。 以上の分析は現地調査が10月とおそかったため一部未了であるが、これまでの結果から高標高多雪地域の気候條件を反映して、有機物組成や粘土鉱物組成が他地域とやゝ異なることが認められた。 なお現地調査期間中に、前年度の鳥取・島根の試料分析結果の総合的な検討会を行った結果、その特微は1)母材が珪長質のため他地域と異なる化学性と粘土鉱物組成をもつこと、2)堆積年代の古いものは黒ボク土とは認め難い諸性質を示すことが明らかにされた。
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