研究課題/領域番号 |
60303028
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小林 彰夫 お茶大, 家政学部, 教授 (40005591)
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研究分担者 |
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (90008730)
本間 清一 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (50017240)
島田 淳子 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (60017233)
倉田 忠男 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (60011920)
五十嵐 脩 お茶の水女子大学, 生活環境センター, 教授 (40017231)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 栄養素 / 香気成分 / 官能評価 |
研究概要 |
今後の食品成分に関する科学的研究は、栄養素とそのシグナルとしての味・香りなどの嗜好性を統一的にとらえなければならないという視点のもとに、研究を行った。三大栄養素のうち、油脂については、不飽和脂肪酸とビタミンE・タンパク質との関連が動物による栄養試験臓器中の栄養素の分布から五十嵐によって考察された。近年新たな栄養素と考えられる様たなったダイエタリーファイバー(DC)は嗜好性に大きく影響する。島田は小麦粉、大豆タンパク質、コーンオイルなど調理の基礎となる素材に対するDCの効果を物理的判定と官能評価を組み合わせ評価を行った。大豆は優れたタンパク資源であるが、独特の豆臭があり、食品素材としての利用面を制限している。その起源が大豆油脂中の不飽和脂肪酸に起因することから、本間は豆臭成分の代表的化合物であるヘキサナールのタンパクへの移行を検討するとともに、タンパク中に残存する脂質成分、特にリン脂質の残留性に着目し、脂質とオフフレーバーの関係について考察した。ビタミンC要求性のモルモットが、青草臭に誘引されるのは微量栄養素と嗜好性を探る好例と考え、倉田はアルファルファの揮発性成分を数多く同定し、モルモットに対する嗜好性を検討した。同様な香気成分について久保田は、甲殻類の加熱香気がヒトにとって特に嗜好性の高いことに着目し、その成分を固定すると共に栄養素である先駆体との関連についても注目している。貝沼による炊飯による飯の官能的評価,三橋による魚肉の加熱凝固の官能的評価はそれぞれ米デンプン,魚肉タンパクの加熱・加水による化学的変化を物性的な変化と対比しつつ、ヒトの示す嗜好性の原因を解明しようとしたものである。時友の行ったアズキ加熱香では、豆類と砂糖の加熱という従来の調理法を香気成分の形成の面から分析し、嗜好性の原因を明らかにしようとした。
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