研究分担者 |
川崎 きよ子 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (90033646)
中西 茂子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20060585)
片山 明 京都女子大学, 家政学部, 教授 (20081333)
黒岩 茂隆 信州大学, 繊維学部, 教授 (90021104)
多田 千代 金沢大学, 教育学部, 教授 (70077478)
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研究概要 |
繊維製品の洗浄における基本的な問題として界面活性剤の固/液界面における吸着をとりあげ、モデル基質としてのアセテートとビニロンに対するアニオン性およびカチオン性界面活性剤の収着等温線を求め、McGregor理論を適用して解析したところ、収着現象を溶液相と基質相間の分配で統一的に説明できた(片山)。浸透ぬれに関して織物の立体構造特性および表面エネルギーとぬれの関係を平衡論ならびに速度論的立場から検討し、織物構造がみかけの撥水性を増大させ、織物のpermeabilityと表面エネルギーが液滴のぬれひろがり速度を支配することを明らかにした(川瀬)。油性よごれの洗浄に関して、グリセリドは遊離ヒドロキシル基の多いものほど油/水界面張力を大きく低下させ、また、アニオン界面活性剤との相互作用により自然乳化をおこさせ、洗浄性を高める効果をもつことがわかった(藤井)。油性よごれの付着性,洗浄性は油/基質/水の付着仕事の値とよい相関性を示した(斉藤)。油よごれの洗浄速度に関する研究では、洗浄速度定数の温度依存性から液晶相の形成が油成よごの洗浄において重要な役割を果たしていることがわかった(黒岩,山田)。一方、粒子よごれの洗浄に関して行われた平衡論的研究から、粒子の繊維への付着は発熱反応であることが示唆された(渡辺)。よごれ粒子のモデルとしての高分子ラテックスの繊維への付着速度のヘテロ凝集理論による解析では、エネルギー障壁の大きさが粒子の付着速度を支配していること(川崎),脂質と粒子の混合よごれの洗浄速度は双方の極性に依存し、極性の大きいものの洗浄性が高いこと(中西)がわかった。洗浄の機械力に関しては、液流,摩擦,変形による衝げきエネルギーの効果が大きく(多田)、層流洗浄実験から求めた粒子除去力は7.6-28μmの範囲では粒子径の大きいものほど大となった(日景)。洗浄の機械力として電気浸透を利用すると効果的であることがわかった(田川)。
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