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1986 年度 実績報告書

分子レベルにおける集団遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60304002
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

木村 資生  遺伝研, その他, 教授 (20000226)

研究分担者 石和 貞男  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (20017205)
武藤 あきら  名古屋大学, 理学部, 助教授 (80034635)
大沢 省三  名古屋大学, 理学部, 教授 (10034620)
太田 朋子  国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (80000256)
向井 輝美  九州大学, 理学部, 教授 (30091242)
キーワード分子進化 / 集団遺伝学 / 中立説 / 多重遺伝子族 / 核外遺伝子 / トランスポゾン / 分子系統樹 / コドン使用頻度
研究概要

本研究班は理論と実験の両グループから成り主な成果は次の通りである。理論グループ:(1)DNA塩基配列の情報に基づいた分子進化の中立説の検証。特に種内変異と進化速度との相関関係やRNAウィルスにみられる高突然変異下での分子進化の様相が、中立説の予測と良く合うことを確認した。(2)多重遺伝子族や反複配列DNAの進化に関する非平衡理論の発展と自然選択の影響。遺伝情報がゲノム内の染色体上で位置をかえるために生ずる進化的影響を、遺伝的多型性や遺伝情報の増大という観点から解析した。(3)分子時計(分子進化速度の一定性)の精度に関する統計および集団遺伝学の研究。分子進化の研究において、分子時計の精度はその機構と共に長い間大きな論争点であったが、その精度に関する統計及びその機構に関係した集団遺伝学の研究は未だ不十分である。そこで、分子時計の精度を研究するために必要な統計的方法を提案した。これは分子時計の機構に関する研究の一つの基礎となるものである。実験グループ:トランスポゾンの研究。動く遺伝子の転位の機構とホスト生物集団への進化的影響を、ショウジョウバエのP因子を中心にその分子生物学及び集団遺伝学的研究を行なった。特に転位を制御する因子の実体を知る上で重要な知見を得た。(2)D.melanogastev及び近縁種のmtDNAの塩基配列の決定とヘテロプラズミィの解析。mtDNAの進化の様相と系統関係を研究する上で必要な基礎的データを得た。(3)コドン使用頻度に関する分子遺伝学及びデータ解析。コドンの選択様式は、原核生物と真核生物とで全く異なることが明らかになった。その分子機構は不明であるが、コドンの偏りがゲノムの進化に及ぼす影響や遺伝暗号の進化に関する情報を得た。(4)分子系統樹。5srRNAの多様な生物種にわたる分子系統樹を完成させた。しかし、近縁種間の系統関係の解明には別の遺伝子の利用が必要であることが指摘された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Motoo Kimura: Phil.Trans.Roy.Soc.Lond.B. 312. 343-354 (1986)

  • [文献書誌] Tomoko Ohta: Genetics. 113. 145-159 (1986)

  • [文献書誌] Kenji Yukuhiro;Terumi Mukai: The Japanese Journal of Genetics. 61. 25-43 (1986)

  • [文献書誌] Tomoko Ohta: Genetical Research. 48. 119-123 (1986)

  • [文献書誌] Naoyuki takahata;M.Slatkin: Theoretical Population Biology. 30. 180-193 (1986)

  • [文献書誌] Muto,A.;Yamao,F.;Hori,H.;Osawa,S.: Ad.Biophys.21. 49-56 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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