研究課題/領域番号 |
60304022
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
浅田 泰次 愛媛大, 農学部, 教授 (80036269)
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研究分担者 |
甲元 啓介 鳥取大学, 農学部, 教授 (80032093)
大内 成志 近畿大学, 農学部, 教授 (70026433)
谷 利一 香川大学, 農学部, 教授 (50035961)
奥 八郎 岡山大学, 農学部, 教授 (20033144)
西村 正暘 名古屋大学, 農学部, 教授 (10032070)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | ファイトアレキシン / リグニン / 抵抗性誘導因子 / 感染誘導因子 / 宿主特異的毒素 |
研究概要 |
植物と病原菌の接触の場で起こる相互自他認識と、それによって誘起される宿主の代謝変換の両過程を物質レベルで解明することが、本研究の目的であり、その成果の概要を述べる。(1)エンバク冠さび病菌感染葉の抵抗反応発現には、リポキシゲナーゼが関与する。(2)オオムギ子葉鞘の一細胞に親和性菌が侵入することによって誘導される感受性は、その細胞で出現した後に隣接細胞に移行する。(3)オオムギうどんこ病菌の分生子成分の水溶性画分には、フェノール性低分子感染阻害因子とニシヒドリン陽性の低分子感染促進物質が含まれる。(4)エンドウ褐紋病菌由来のエリシターは、侵入阻害とピサチン蓄積の両抵抗反応を引き起こす。(5)ジャガイモ疫病菌感染に対する宿主植物の過敏感細胞反応及び全身誘導抵抗性における本菌成分の作用機作は、宿主細胞膜レベルの【Ca^(2+)】代謝と活性酸素生成が重要であることを示した。(6)ダイズ組織から純化したβ-1,3エンドグルカナーゼ並びにその抗体の諸性質から、疫病菌感染ダイズ組織におけるグリセオリン誘導のための初期の最も重要な過程は、宿主に存在するβ-1,3エンドグルカナーゼによる疫病菌細胞壁からのエリシターの遊離・生成である。(7)ダイコンの根でのリグニン生成は、木化誘導因子の存在に加えて、エチレン(2-クロロエチルホスホン酸)処理によって起こる。(8)宿主特異的毒素の宿主に対する毒素作用はそれぞれ異なるが、いずれもその作用過程に原形質膜機能障害が誘起され、これが病原菌受容化をもたらす。(9)ナシ黒斑病菌のAK毒素生成菌及び生成能失活菌株よりDNA及びRNAを調整し、それらの相同性を利用したコンペティブハイブリダイゼーションを行なった結果、毒素生成菌株のみに特定のRNAが多量に存在した。
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