研究分担者 |
須知 泰山 愛知県がんセンター, 部長 (30163033)
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
今井 大 山形大学, 医学部, 教授 (30045603)
三方 淳男 千葉大学, 医学部, 教授 (40051289)
花岡 正男 京都大学, ウィルス研究所, 教授 (30027304)
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研究概要 |
リンパ組織の反応性増殖機構を解明するため, 構成細胞の形態と機能に関する基礎的解析と, 反応性増殖を来たす各疾患についての臨床病理学的特徴を検討した. 1)基礎的検討:Tリンパ球について, マウスグリオーマ細胞に対する特異的GTLクローンを樹立し, 免疫治療のモデルとした. また, 皮膚細胞を抗原としてラ氏細胞に対する単クローン抗体も作製した. Bリンパ腫より樹立した間質細胞は特にTリンパ球の微小環境を形成することが示唆された. リンパ腫の腫瘍細胞の分化段階に応じ, Leu4抗原の発現の程度を免疫電顕によって検討した. Bリンパ球について:Reticular lymphocytes(Monocytoid lymphocytesの小病巣)はBリンパ球の分化, 増殖巣である. また, 末血B細胞を培養することにより樹枝状突起を呈する細胞を認るが, 本細胞とDRCやIDCとの関連は, 未だ不明である. TI^+, Tac^+のB細胞は濾胞外殻の外側に存在する細胞である. 2)反応性疾患について:皮膚病性リンパ節症ではLC, IDCともにLeu6^+, S-100蛋白+, Ia^+, Tリンパ球とは蜜な精報の伝達の可能性を示唆する. ウイルスの関与が示唆される懐死性リンパ節炎ではHLA-DR52が優位の高値を示し, 臨床経過とLeu3a/2a比は相関を示す. 木村病のIgEFcR^+細胞は胚中心内リンパ球およびDRCに一致して, 樹枝状に陽性像を呈する. AILDではIa^+の活性化T_4^+細胞の増殖が中心であり, 伝染性単核症ではT8+細胞が障害の中心である. AIDSリンパ節ではウイルス感染を受けた胚中心内樹枝状細胞が崩壊し, B細胞の機能不全を起こすものとみなされた. SLEなどの膠原病で悪性リンパ腫発生例は節外性が多く, びまん性B細胞, 大細胞型が主であった. 胃RLHを基盤として発生する胃悪性リンパ腫では, びまん性中細胞型, 混合型を主とする進行緩除型が主として発生し, RLHを伴わない胃悪性リンパ腫は胚中心由来のびまん性大細胞型が多く, これに, 免疫芽球型のものもあり, 急激な経過をとる.
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