研究課題/領域番号 |
60304095
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池永 満生 京大, 国立大学(その他), 教授 (70025378)
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研究分担者 |
井尻 憲一 東京大学, 理学部, 講師 (40111447)
西本 毅治 九州大学医学研究科, 独立専攻, 教授 (10037426)
石崎 寛治 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (70111987)
藤堂 剛 大阪大学, 医学部, 助手 (90163948)
大西 武雄 奈良県立医科大学, 進学部, 助教授 (60094554)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | DNA修復機構 / 遺伝子クローニング / 【O^6】-メチルグアニン / メチル転移酵素 / ピリミジンダイマー / 除去修復 / 電気穿孔法 |
研究概要 |
本研究の目的は、さまざまなDNA修復機構のなかでも、特にアルキル化剤による致死、突然変異あるいは発癌の主要な原因とされている【O^6】-メチルグアニンの修復と、紫外線によるピリミジンダイマーの除去修復機構とに的を絞って、遺伝子クローニングなどの新技術を導入することによってこれらのDNA修復機構の種特異性と普遍性を明らかにすることにある。そのために研究分担者だけでなく、関連分野の第一線の研究者を招いて研究会を開催することなどによって情報の交換に努めると共に、研究の活性化をはかった。本研究班員による主要な研究成果は以下の通りである。 1.大腸菌の【O^6】-メチルグアニン修復遺伝子(ada遺伝子)を、この修復能を欠いているヒト癌細胞にトランスフェクションで導入した。得られたクローンでは大腸菌のada遺伝子が活発に発現していた。すなわちこれらのヒト細胞では大腸菌のメチル転移酵素が大量に作られており、アルキル化剤に対して著しく抵抗性になっていた。 2.哺乳類や魚類を含めて17の異なる生物種より得られた26系統の培養細胞について、メチル転移酵素の活性を調べた。最も高い活性を示したのはヒト、カンガルー、ラットなどで、逆に活性が低かったのはハムスター、イヌ、カエルなどの細胞であった。 3.細胞性粘菌およびショウジョウバエにおいて、ピリミジンダイマーの除去修復に関連した遺伝子のクローニングのために、修復能欠損株の樹立や形質転換クローンの分離とその解析を行った。 4.細胞に外来の遺伝子DNAを導入する方法としては、リン酸カルシウム法がよく知られているが、高電圧パルスによって細胞膜に孔をあけて遺伝子を注入する装置を試作して種々検討した結果、この電気穿孔法は非常に有用であることが分った。
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