研究分担者 |
宮田 逸夫 島根大学, 理学部, 教授 (90069948)
伊藤 晴明 島根大学, 理学部, 教授 (80032423)
荒木 長男 島根大学, 理学部, 教授 (70028124)
橋谷 博 島根大学, 理学部, 教授 (00156267)
徳岡 隆夫 島根大学, 理学部, 教授 (30025358)
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研究概要 |
1.自然史分野の研究では, おもに(1)宍道湖の精密音響探査,および(2)斐川平野地下の高密度比抵抗電気探査,を行なった. (1)では,すでに前年度までに終了した中海での同様な探査結果をふまえて, アトラスデソとユニブームを主に用いて精密な湖底地形と湖底下推積層の構造を解析した. その結果, 過去24年間に宍道湖では平均30cmの埋積が進行しており, その速度は中海の場合の2〜3倍に達すること, 湖底推積層の主要部である中海層の基底が西に向う複雑な谷地形をしていることが明らかになった. (2)では現湖岸より西方にある平野部において斐伊川河口の三角州や扇状地を形成しながら湖水域を埋めたてていく状況が明瞭になり, 既在のボーリング資料を解釈する上で重要な基礎資料を得た. さらに, 前年度までに得た湖底推積物の試料について, 環境指標となりうる各種微化石について, 本年度購入した顕微鏡撮影装置を用いて多くの写真を撮影し, 同定のための資料を蓄積した. 2.現湖水の環境変化を追跡するための水質動態の研究は, 中海において夏と冬に連続観測を行なった. その結果, 夏は台風で, また冬は当地特有の強い季節風により湖底のかく乱が認められ, 気象と水質動態との関係を解析する手掛りを得た. 環境保全と資源の有効利用を指向した研究としては, 昨年度に開発したオリゴアミンの部位選択的誘導化の方法をさらに発展させた. また, 希土類金属イオンの効率良いクロマト分離法を破発し, それに基いた安価な希土類金属イオンのセンサー開発研究を進めた. 3.周辺地域および水域の植生についても, ほぼ現況が把握できるまでに研究が進展はした. とくに, 斐伊川流域の植生図の編集,および神西湖とその流入岩川における水草調査では, 今後の議論の基礎資料をつくることができた.
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