研究概要 |
1.次の事項が着実に実行された。 イ.超電導磁石の実施設計を行った。(好村,武田) ロ.超電導磁石の入荷後、運動テストを兼ねて、原子炉で中性子スピンエコーの実験を行った。その結果この磁石で磁場積分D=0.5Tmが到達可能であった。スピンエコー信号はD=0.25Tmまで観測されたが、それ以上では観測されなかった。このことは計算された磁場積分の不均一性から予期された通りである。これによって現在世界最高のエネルギー分解能を誇るフランス・グルノーブルのILL研究所の中性子スピンエコー分光器IN11のD=0.1Tmをしのぐ分解能が得られた。しかしD=0.5Tmに相応する分解能の実現のためには、磁場積分の不均一性を保障する複合コイルの開発が今後の課題となった。(好村,藤井,武田) ハ.中性子ポラライザーとして、スーパーミラー型のものが実用化されるに到った。(藤井,武田) ニ.中性子速度選別機の基本設計を行った。(武田) ホ.高分子溶液に対して中性子スピンエコー法の適用を検討した。(梶) ヘ.セミミクロな系の素励起の理論的な研究を行った。(渡部)
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