研究概要 |
研究費が、年度なかばを経過しての交付であったため、初年度は被験者群および被験者数をしぼり、実験期間を3ヶ月とした。 今回は健康処方、とりわけ運動処方に主眼をおきその適用と効果について検索するために、生活形態、体力、医学および精神心理的側面から、後述するような方法によって種々の調査・測定・検査を行った。 1) 高齢者群(男女34名)では、歩・ジョキングを中心に軽スポーツを、週1回90分指導した。結果は、運動の漸増(週当り)、血圧値は運動前後で、収縮期、拡張期ともに有意に低下、HDLコレステロールの増加、遊離脂肪酸の減少がみられた。 2) 軽症高血圧者群(男女22名)では、軽運動を中心に軽スポーツを、週2回、1回90分指導した。結果は、収縮期および拡張期で、平均14mmHgと7mmHgそれぞれ低下した。また心電図所見では、心拍数の減少や心機能の改善がみられた。さらにスポーツ意識や生活態度の変容など心理的効果が認められた。 3) 中年婦人群(48名)では、硬式テニスを主教材として、週2回、1回90分指導した。結果は、最大酸素摂取量(【・!V】O2max)が14%増大した。特にテニスとエルゴメーターによるトレーニング(週2回)班では、19%増大した。また健康度、生活意識・生活形態面での効果的変容がみられた。 4) 肥満者群(男10名、平均年齢42.3歳)では、運動は、50〜60%【・!V】O2max負荷強度による60分間エルゴメータで実施した。結果は、運動後のFFA,GH,ACTH,CORTIS-OLの代謝促進が認められ、特に運動開始30分後からその傾向が顕著であった。 5) 主婦群(41名)では、エアロビックダンスを主教材として、週2回、1回90分指導した。結果は、【・!V】O2maxの増大や、性周期に伴う血液性状の差が認められた。以上成果について、かいつまんで記述したが、なお詳細にわたっては検討中である。
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