研究分担者 |
藤島 和孝 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (00108606)
徳永 幹雄 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90038464)
山田 裕章 九州大学, 健康科学センター, 教授 (60038726)
川崎 晃一 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00038704)
緒方 道彦 九州大学, 健康科学センター, 教授 (30038377)
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研究概要 |
前年度までの成果をもとに, 昭和62年度は, 主に健康生活の指導ならびに健康外来システムの開発の視点から研究を実施し, 次のような結果を得た. 1)境界域高血圧, コレステロール要観察および尿糖異常のいずれかを有し, 肥満している中高年婦人14名に対して, 183日間の歩行治療を実施した. 平均トレーニング実施率は74.4%(136.1日)で, 1回の平均歩行時間は52.5分であった. 体重の減少は平均-2.67kg, %Fatは4.0%の低下を示した. 血中脂質成分では, 中性脂肪の低下が顕著で, 治療前の131.9mg/dlから6か月後には86.7mg/dlと平均値は有意に低下した. 2)軽症高血圧者11名を対象に3か月間のテニス教室を実施した. その結果, 血中脂質では総コレステロール, 中性脂肪, 遊離脂肪酸でいずれもやや低下した. さらに, HbA_1, HbA_<1c>は有意に低下し, 糖代謝能の改善やGPT, rーGTP, クレアチニンの低下から肝・腎機能の向上が認められた. 内分泌検査ではコーチゾール濃度が増加し, 自己防衛力の増加が示唆された. 3)中年婦人を対象としたテニス教室終了1年後での調査結果については, 61年度に比べると健康度得点が減少した. 教室終了後テニスを継続している対象者は8割近くにのぼり, 教室がテニスへの社会化エージェントの役割を果したことを示唆した. 4)連続可泳距離100m以上の中高年女性の水泳中の心拍数を検討した. 90分に及ぶ自由水泳中, 比較的若年の者は2200m, 高年者は1200mを泳いだ. この運動は若年層では相対V_<ozmax>強度の60〜80%, 高年者では40〜60%に相当した. 5)健康外来の開設に向けて健康度の診断を確立し, 総合的な健康処方としてのプログラムの作成と個人のデータを効果的に還元するための情報処理システムの開発を検索した.
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