昭和60年6月末以降、原則として週1回研究会をおこない、先行研究の検討、地域調査の企画、地域調査結果の報告と検討、重要政策文書の検討などをおこなってきた。 まず、中央レベルの政策分析について、先行研究の多くは「能力主義」と「管理主義」の概念で説明してきているが、そこでは、1時期区分が不分明であること、2、中央→地方の視点が中心であり、中央【→!←】地方のダイナミズムを解明していないこと、3、〈経済と教育〉という大枠でとらえられており、労働市場の変化、労務管理の変化など細分化された視角からの〈経済と教育〉の関連構造が解明されていないことなど、多くの問題点が明らかになった。これらは、本研究の今後の研究課題となるものである。 つぎに、地域調査については、北海道札幌地区、岩手県、富山県、埼玉県、愛媛県に2回、北海道釧路地区に1回調査に入った。1回目の調査は主として、教育委員会、教育研究所、教育センター、県議会各会派代表、教職員組合、業協、漁協などの関係者(幹部)からの面接聞取調査が中心であった。2回目の調査は主として、教育研究所、教育センター、図書館などでの文献資料の収集(複写作業を含む)が中心であった。北海道大学、北海道教育大学釧路分校、岩手大学の教官からレクチャーをうけたほか、可能な地域では学校を訪問視察しもしくは研究会を視察し、また教師と話しあう機会をもった。面接聞取調査およびレクチャーはすべて録音テープにとり、その一部についてはテープおこしをおこなった。 昭和61年3月に、教育長、校長、教職員組合役員等を対象とする全国的規模の、「高度経済成長」期の教育に関するアンケート調査を実施した。 米国、英国研究については、研究協力者において研究が進行した。
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