研究概要 |
本研究も2年目に入り、関連各領域の基礎資料については、収集整理から文献目録作成へと作業を進めた。一方、5月にシンポジウム「札幌人から見た小樽の発展性」(小樽再生フォーラムと共催)を開き、9月に都市問題研究懇話会のメンバーとの懇談会を開催するなど市民層や研究者相互の交流浸透を深めた。さらに、久野,篠崎は小樽活性化委員会に委員として参加し、討議に研究成果を反映させた。 個別の研究成果としては、猪股が昭和60年12月に実施したアンケート結果をさらにクロス集計へと分析を深化させ、年令別,在住年数別,職業別の項目において有意の差ある開発・保存の意見形成が見られることを抽出した。 安田は「都市の成長・衰退分析-北海道における事例研究-」(未公刊)において都市成長衰退研究のフレームワーク構築を試み、小樽,夕張,室蘭の比較分析をなした。そのなかで小樽の場合、種々ある要因のうち特に住宅建築の不振が市衰退を強い相関を有するとの特性が指摘された。 樋口は、小樽経済のソーシャル・ダイナミック・モデル作成作業においてベーシック・ダイナモ言語の作成に成功し、SDパソコン・ベース版を完成させた。 中研究員は、中堅中小企業を対象として競争戦略、経営管理方法および情報・統制システムに関するアンケート調査を実施し、現在質問紙の回収とデータ化に当っている。この調査によって、金沢その他の地方都市におけるこれら企業の都市間の行動特性の比較を試みる予定である。
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