本研究は、現行教育課程の実状を明らかにするとともに、各地の様様な新しい試みを調査し、教育課程の改善の方向を見い出そうとするものである。教育課程の改善には単に、教育内容についてばかりでなく、教育課程を支える学校の組織・運営・教師の教材研究等がより良く機能することが大切である、そうした事柄についても検討を加えた。 1.研究代表者及び分担者により研究会を持ち、「教育課程の評価と開発に関する研究」(昭和58年度教育研究費補助金研究成果報告書)の検討を行った。さらに、今回の研究へ向けて、調査内容を具体的に検討した。そこで次のような内容が出された。 教育課程が実際に機能する為には、制度、勤務校の経営、潜在カリキュラム等の配慮が必要であり、そうした面の調査も必要であること。 2. 教育課程の改善に関する基礎研究についてのアンケート 上記の検討にもとづき調査項目を作成し、次年度に行う本調査の予備調査となるよう調査項目を工夫した。調査対象は多面的にきけるよう比較的協力が得られやすい県内の本学卒業生とした。 調査内容は次の通りである。 (1)現在の勤務校の特色。 (2)教材研究における困難点・条件。 (3)教科書の個々の内容のうち、学習困難と思われたり、教えにくかったりする内容及びその理由。 (4)教育制度、教育課程、生徒指導、勤務条件、研修、家庭や社会との関係等について、日頃困難を感じている点、改善したい点。 (5)現在、中学校の生徒指導で問題となっている点。 (6)教員としての自己評価及びクラブ活動の指導の実態。
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