研究課題/領域番号 |
60420003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 敏雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022696)
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研究分担者 |
井上 允 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (10151622)
野口 邦男 名古屋大学, 理学部, 助手 (10111824)
早川 幸男 名古屋大学, 学長 (60022498)
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キーワード | 近ミリ波 / クェーサー / 電波天文学 / ボロメーター |
研究概要 |
・名古屋大学1.5m望遠鏡による観測 幅鏡のチョッピングシステムを製作し、その性能評価を行なった。木星を観測して望遠鏡の効率、大気雑音等をしらべたところ、50%の効率で検出器雑音で観測限界が決まっていることがわかった。当初目標とした近ミリ波領域での銀河面観測が行なえる条件を整えることができた。 ・野辺山45m鏡による観測 前年度に製作した3点式ビームスイッチを用いて1ミリ、2ミリ2波長での同時測光システムを確立した。風、湿度等の天候条件に大きく左右されるが、良好な条件の下では1秒の積分時間で3Jyの観測限界を実限することができた。 上記システムを用いて18個のクェーサーの観測を行なった。その結果、3C273、3C279の2個のクェーサーが近ミリ波帯でフレアーを起こしていることが発見された。野辺山宇宙電波観測所のミリ波干渉計による長波長側での観測ではフレアーは観測されていないことから、この近ミリ波フレアーは巾が狭く、シンクロトロンの自己吸収放射と考えられる。この結果から発光領域が0.1〜0.2パーセク、磁場の強さが数ガウスと推定される。 その他のクェーサーについても89年2月に再度観測を行ない、系統的なデータを得ることができた。今後データを更に集め、データベースを作れるようにシステムを整える予定である。
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