研究課題/領域番号 |
60420005
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須田 英博 東大, 宇宙線研究所, 助教授 (30011555)
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研究分担者 |
高橋 嘉右 高エネルギー物理学研究所, 教授 (90004283)
鈴木 厚人 東京大学, 理学部, 助手 (00100818)
戸塚 洋二 東京大学, 理学部, 助教授 (40011712)
小柴 昌俊 東京大学, 理学部, 教授 (00011461)
木舟 正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40011621)
TAKAHASHI Kasuke KEK,National Laboratory for High Energy Physics
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 核子崩壊 / 陽子崩壊 / 大統一理論 / 中性子-反中性子振動 / モノポール / ニュートリノ振動 / 天体ニュートリノ / 太陽ニュートリノ / CygX-3 / 超新星爆発 / ニュートリノバースト / SN1987a |
研究概要 |
本研究は神岡鉱山地下深部に設置した3000トン水チエレンコフ光検出器を用いて現在の素粒子物理学の重要課題である素粒子の大統一理論の実験的検証を目指して、核子崩壊、中性子-反中性子振動、超重磁気単極子の探索ニュートリノ振動の有無の検証などを主な研究課題とし、また太陽ニュートリノの検出、星の重力崩壊に伴うニュートリノバーストなど天体ニュートリノの観測を同時に行うことを目的に行われた。昭和58年7月より核子崩壊の観測実験を開始して以来62年3月現在までに1900トン年分のデーター解析が終った。標準的大統一理論(SU(5))が予言する陽子崩壊の主なモードであるP→【e^+】【π^゜】は1例も観測されておらず、その崩壊寿命は1.5×【10^(32)】年より長いと結論された他の殆んどのモードについても【10^(31)】〜【10^(32)】年が寿命の下限値でありSU(5)理論はそのまゝでは正しくない。一方核子崩壊候補が5例観測されているが確定的とは云い難く更に調べ続ける必要がある。酸素原子核中での中性子-反中性子振動の現象は1例も観測されず【^(16)0】中でのn-【n!-】振動の時間は4.3×【10^(31)】年以上である。 太陽重力にトラップされたモノポールが太陽中心でルバコフ効果により陽子崩壊を越した結果発生するニュートリノを観測することにより太陽系近くでのモノポールフラックスを求められその下限は1.6×【10^(-21)】(β/【10^(-3)】【)^2】c【m^(-2)】【s^(-1)】s【r^(-1)】である。宇宙線ニュートリノによりニュートリノ振動のパラメーターで△【m^2】2【10^(-4)】【ev^2】混合解【si^2】2θ【>!〜】0.5の範囲は排除される。 米国スーダングループが報告しているCygX-3からの奇妙なミューオンの存在は我々の観測では否定的であり、そのフラックスは2.2×【10^(-12)】【cm^(-2)】【S^(-1)】以下である。 最後に特筆すべきことは、62年2月23日に、光学的に発見された大マジカラン星雲での超新星爆発(SN1987a)に伴うニュートリノバーストを観測した。これはニュートリノ天文学における歴史上最初の直接観測であり、新しい宇宙研究分野の先駆けをなすものである。
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