研究概要 |
現地に発送した60年度分の比例計数管1,000本は全て製作を完了し、鉱山側と連絡をとりながら地下への搬入を行っている。又、本年度分の比例計数管用角型パイプ1,000本は両端のフランヂ熔接をすませ現地に発送した。回路関係は、増幅器,波高弁別器,記憶系統等のプリント基板も出来上り、組み込みを行いながら一部は地下でのテストを開始している。又、本観測に必要となる安定化周波数変換器2台と高圧安定化電源及び回路部品等は全て購入して現地に発送した。 地下7,000米水深相当及び6,045米水深相当における140トン及び260トンの装置による継続観測も順調に進められた。地下7,000米水深相当でのデータの記録は安定化を計り紙テープからバブルカセットに変更を行った。本年の観測で、更に三例の陽子崩壊現象が記録された。崩壊のモードはN→Υ+ω(【π^+】【π^-】【π^0】),P→【〜!Υ】+【Κ^+】(【π^+】【π^0】),P→【μ^+】+η(【π^+】【π^-】【π^0】)型で説明される。現時点での寿命は1.7×【10^(31)】年(誤差約30%)と推定される。磁気単極子に関しては、飛行時間差法,電離損失及びルバコフ効果の有無を通して追求している。現在まで一例の候補例も得られていない。線束の上限はβ=v/c【>!〜】【10^(-3)】に対して約6×【10^(-15)】/【cm^2】・Sec・Strが得られている。 一方、透過性の極めて強いニュートリノ(又は類似粒子)を親とする天頂角の大きい現象の中に大きい開角を持ち、空気中にその交点を持つ重い長寿命粒子が創生されたと考えられる現象が三例観測された。これらの現象は透過性ミュー中間子とカスケードを伴う粒子(【π^0】又はγ)に崩壊しているものと思われる。質量は【>!〜】2GeV/【C^2】で、推定寿命は【〜!-】【10^(-9)】秒と長い。この種の現象の観測頻度は岩石中発生のニュートリノ現象に対して、約3〜5%程度である。
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