研究課題/領域番号 |
60420013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上田 誠也 東大, 地震研究所, 教授 (60011459)
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研究分担者 |
木下 肇 千葉大学, 理学部, 教授 (10110347)
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助手 (60191368)
藤沢 英幸 東京大学, 地震研究所, 助手 (50012927)
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00092320)
浜野 洋三 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90011709)
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キーワード | 地殻熱流量 / 南海トラフ / 沖縄トラフ / 熱水性マウンド / 長時間地下温度自動記録装置 / 地殻内発熱 / 地電位差 |
研究概要 |
1.海底地殻熱流量の高密度測定は、以下の地域において実施した。 (1)御蔵海盆等の伊豆・小笠原弧北端部(東京大学海洋研究所淡青丸) (2)日本海東縁部(舞鶴海洋気象台清風丸) (3)十勝沖千島海溝(函館海洋気象台高風丸) (4)室戸沖及び遠州灘沖南海トラフ(東京大学海洋研究所白鳳丸) 2.上記の測定により、日本海東縁部に局所的な高熱流量異常が存在することが判明した。千島海溝では、前弧域での一様な低熱流量に対し、海溝の海側では熱流量がやや高いことがわかった。また、南海トラフでは付加プリズム付近の詳細な熱流量分布が明らかになった。 沖縄トラフ中部で発見された熱水性マウンドにおいて、潜水船による温度測定を実施し、湧出水マウンド内の温度,局所的熱流量を求めた。 4.陸上での熱流量測定としては、岩手県・北海道において、長時間地下温度自動記録装置による浅い堀削孔での温度測定を進める一方、深い堀削孔での温度検層も行なった。浅孔で得られた温度記録には地形・日射の影響の補正を加えて、深部からの熱流量を求めた。 5.上記の測定結果に基づき、地殻内発熱も考慮して、東北及び北海道地域の地殻下面での温度構造の推定を行なった。 6.地殻内発熱量を推定するために、地殻の断面が地表に露出している日高地域から岩石を採取し、それに含まれる放射性元素の含有量を測定した。また地震波速度の測定も行ない、発熱量との相関を調べた。 7.地電位差測定による地震予知の可能性を探るために、試験的な観測点を東京大学内,茨城県柿岡及び伊豆大島に設置し、測定を開始した。測定データを転送するためのシステムの開発も行なった。
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