研究分担者 |
木下 肇 千葉大学, 理学部, 教授 (10110347)
脇田 宏 東京大学, 理学部・地殻化学実験施設, 助教授 (40011689)
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助手 (60191368)
藤沢 英幸 東京大学, 地震研究所, 助手 (50012927)
浜野 洋三 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90011709)
|
研究概要 |
1. 中部・関東地方において,ダム建設調査用のボーリング孔や防災センターの地震観測用孔井を利用して,多数の点で地殻熟流量測定を行った.その結果,熱流量は関東地方中東部及び東海地方西部では低く,火山フロントに向かって急激に増加することが明らかになった. 2. 上記の結果に基づき,地殻内発熱を考慮し,地殻下部の温度構造の見積りを行った. また,モホ面付近の地震波の速度や減衰構造,震源分布などが熱流量の分布とよく対応していることがわかった. 3. 海域における熱流量測定により,以下のような成果を得た. (1)中部沖縄トラフでは,中軸部に高熱流量異常が存在することを確認した. (2)ヤップ海溝地域では,海溝を横断する熱流量のプロファイルを求めた. (3)相模湾においては,シロウリガイの群集の付近で高熱流量異常が発見された. これは,断層に沿っての水の動きによるものである可能性がある. 4. マリアナトラフの低温熱水活動地域において,潜水船ALVIN号を用いて海底温度長期モニタリングシステムを設置し,10日間の試験的測定を実施した. 良質の温度データが得られ,わずかな時間変動が検出された. 5. 日本海東縁部の奥尻海嶺東麓において,「しんかい2000」による温度測定を行ったが,熱的異常は認められなかった. 6. 日高地方の岩石について,放射性発熱量の測定を行った. この結果等に基づいて,日本列島の地殻下部の温度構造を推算する作業を進めている. 7. 南西インド洋海嶺のAtlantis II断裂帯で採取した岩石の磁気的性質を測定した. その結果,海洋地殻第三層に,従来考えられていたよりもはるかに強い残留磁化強度をもつ部分が存在することが発見された. 8. 北海道の岩石を採取して,磁化の測定を進めている.
|