研究課題/領域番号 |
60420014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
国司 秀明 京大, 理学部, 教授 (40025234)
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研究分担者 |
吉岡 洋 京都大学, 防災研究所, 助手 (10027287)
西 勝也 京都大学, 理学部, 助手 (10027237)
今里 哲久 京都大学, 理学部, 助教授 (40025391)
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キーワード | 黒潮の変動 / 黒潮フロントと渦 / 暖水塊の東進現象 / フェリーによる連続計測 / 衛星画像の時系列解析 / 数値実験 |
研究概要 |
1.暖水塊画像解析装置のシステム、特にソフトウェアー関係を整備して画像処理解析システムを完成させた。1983年1月1984年4月迄の衛星NOAAの可視・赤外画像を68ケース処理し、大阪-日向間を航走するフェリーの水温と対応させることによって輝度温度から水温への変換を行った。 2.フェリーの記録上に暖水塊が東進するように見える現象が現れた同時期のNOAAの画像が1983年1月24-27日迄4日連続して得られた。これらの連続画像によると、黒潮フロント上に大きさ40-100Km程度の渦が発生し土佐湾や紀伊水道入口に広がる。そのために黒潮フロントは分断された渦の北縁部を形成するフロントは岸に近付いて来る。この現象をフェリー航路上で見ると、暖水塊がフェリー航路上を東進しているように見えることが分った。また、この渦の西側からは沿岸系水が流れ込んで来て、黒潮側に取り込まれていく様子が画像から伺える。このような過程が黒潮上に低塩水塊が出現する現象の原因であることが示唆された。 3.この渦は黒潮フロントの傾圧不安定によって発生している可能性もあるが、黒潮流軸の変動に伴う地形性の順圧渦ある可能性もあり、これを明らかにするために、3次元数値実験を行った。得られた流れの場に約30万個の粒子をLagrange的に追跡して、これらの渦による沿岸系水の外洋への流出過程を検討している。 4.渦の3次元構造を見るために、水試等の海洋観測データを整理しており、また、渦やフロントの変動と気象要素との対応を調べている。
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