研究課題/領域番号 |
60420017
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
相川 信之 阪市大, 理学部, 講師 (20047327)
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研究分担者 |
吉田 勝 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30047112)
古山 勝彦 大阪市立大学, 理学部, 助手 (10112525)
中村 威 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60046761)
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キーワード | 硅酸塩鉱物 / 鉱物の微細構造 / 鉱物の微細組織 / 温度・圧力・応力履歴 |
研究概要 |
鉱物の微細構造・組織と生成環境の関係を明らかにすることが本研究の目的である。61年度は以下に記す事柄について研究した。 1.かんらん石・輝石などの加熱急冷装置の作製とテストを行なった。冷却速度は従来見積られた速度に近い結果であったが、試料保持や急冷法に改良の余地があり、現在考慮中である。又、試料球形装置も作製した。 2.天然のかんらん石,輝石の陽イオン分布を検討した。きわめてゆっくり冷却したと考えられるかんらん石の陽イオンの分配係数が予想通り1より小さいことを確認した(公表)。輝石については、比較的急冷されたと思われる試料の陽イオンの分配係数が溶岩中や月の岩石中の輝石とほぼ同じ値を示すことを見い出した。このことから、輝石中の陽イオン交換反応が高温ではきわめて早いことが再確認された(準備中)。又、準輝石の格子定数を検討したが、陽イオン分布の違いによる格子定数変化がきわめて小さいものであることが明らかになった(印刷中)。なお、化学組成の変化や陽イオン分布の変化に伴なう構造変化を表わす結晶化学的パラメーターを計算するプログラムを開発した。又、加熱急冷試料のデータも収集中である。 3.石英の変形及び再結晶時の不純物元素の構造・組織変化への効果の研究。ここで重要なプロファイル解析及び格子定数精密決定のためのプログラムを完成した。それによって得られた結果は従来の解析法(公表)での結果を再確認するとともに、変形の程度の違う石英や再結晶石英でわずかに格子定数が変化することを見い出した。この違いは構造中の欠陥の存在様式,分布や量の違いの反映と考えられる。格子定数変化の追跡と不純物元素の存在様式・分布や量を明らかにすることによって、変形・再結晶時の不純物元素の役割や効果についての情報(X線データよりの結果は一部でている)が得られると期待できる。
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