研究概要 |
1.熱的な過渡応答性 多孔性材料の空隙率が大きい場合、特段に優れた過渡応答性を示すことが期待できるので実験並びに解析により検討した。まず実験では多孔性材料以外の構造物の蓄熱量は相殺するよう工夫し、ふく射輸送を考慮した非定常系の解析結果と比較しよい一致をみた。実験は空気を高温に加熱し(流量〜20N【m^3】/hr)、多孔性材料(直径150mm)の空隙率,平均孔径,厚み等を変えて実施した。また高温空気中に凝縮性気体(水蒸気)を加え、多孔性材料中における熱輸送の特異現象についての実験にも着手した。データーはパソコンと直結して高速処理している。 2.化学反応系 自由空間の場合と異なり多孔性媒体内における反応については拡散混合過程、熱・物質伝達との関連で躍進的な効果が考えられ、触媒機能がある場合には特に顕著である。本年度の研究の重点項目の一つとして多孔質内の燃焼を採り上げ、物質、ふく射を含むエネルギーの輸送現象を考慮した理論解析を行ない、輸送機構を明らかにすると共にそれに基づく反応機構、火炎構造の詳細な検討をした。併せて確認のための基礎実験に着手し、データーを整備中で、比較検討に備えている。 3.多孔性材料の分光学的データーの取得、光学定数の整備 汎用の赤外分光光度に本研究目的に沿った機能を附与するため、制御系の改造等を終え、分光データー取得のための諸点検を行ない、次の年度の研究に継続する。 4.流動過程 本研究項目は2化学反応系の中で、その一環として実施するに止まったが、過渡応答性の研究とも関連して部分的に実施した。
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