研究概要 |
本年度は3年にわたる研究の第2年度であり、前年度の経過をふまえて以下に示す4項目について研究を進めた。 (1)熱的な過渡応答性(吉田,花村)前年度に引続いて解析を進めた結果、前年度の実験に対して境界条件の明確化、加熱気体入口温度の厳密化、等一層の高精度化が必要との結論に達したので実験装置の改良を行なった上で再度乾燥空気による非定常加熱実験を行ない、解析予測との定量的一致を見た。この結果、冷却についての再実験および凝縮性ガスに関する研究が次年度に持越された。 (2)化学反応過程の研究(吉澤,花村)多孔性固体中の発熱反応過程については前年度の成果を取りまとめて、多孔性固体全域を支配する現象に関しては『内部発熱を有する多孔性固体の熱的構造』として国際会議で報告し、反応帯構造については投稿中である。本年度は対応する実験的研究に力を注ぎ、可燃性混合気がセラミック多孔体中を流動する系の熱的構造および保炎範囲の測定が完了した。これらについては現在取りまとめ中である。さらに本年度から触媒機能を有する多孔性固体中の吸熱反応系の解析にも着手し、現在迄に得られている成果だけでも従来石油化学等に用いられている反応装置とは異なる新しい勝れた反応操作法の開発に結びつく可能性が開けた。 (3)多孔性材料の光学的データの取得、光学定数の整備(越後,吉澤)前年度取得した分光光度計で採取されるデータに対するパーソナルコンピュータを用いた処理システムを完成させ、金属製多孔体のデータを取り終えた。 (4)エネルギ変換過程(越後,吉澤,吉田,花村)昨年度は流動過程として進めていた研究を(2)(3)の関連研究と合せて再編成し、流動現象と密接に結合した多孔性固体内外の間のエネルギ変換過程として進め、燃焼熱・輻射変換についてはすでに完了した。
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