研究概要 |
1.ガドリニウム・鉄アモルファス膜の磁気光学効果 Gd-Feアモルファス膜の磁気光学効果の機構を調べる目的で、Gdを非磁性のYでおきかえたY-Fe Feを非磁性のCuでおきかえたGd-Cuの各アモルファス膜を作成し、77゜Kまたは4.2゜Kで磁気光学カー回転角のスペクトル(波長400〜700nm)を測定し、Gd-Feのスペクトルと比較した。その結果Y-Feは長波長でカー回転角θΚが大きく、一方Gd-Niは短波長側でθΚが大きい。またGd-FeではFeが多い場合長波長側でθΚが大きく、Feが少ない場合は平担なスペクトルとなる。以上のことから、Gd-Feアモルフアス合金では、短波長側でGd磁化からの寄与があるものと推定される。この寄与はGd金属におけるd-p遷移による磁気光学効果に対応するものと考えられる。 2.希土類・コバルトアモルファス膜の磁気光学効果 前項の結果から比較的短波長では希土類(Gd)の寄与があることが示されたが、ここでは希土類の種類によるθΚの差異について調べる目的で、Y-Co,Lu-Co,Ce-Co,Nd-Co,Gd-Co,Tb-Co各アモルファス薄膜のθΚを250〜700nmの波長範囲で測定した。θΚは長波長側では希土類の種類にほとんど依存しないことが分かった。一方、短波長側では希土類の種類によって大きく変化し、Nd,Ce,GdはCoに対して正の,Tbは負の寄与をすることが示された。試みを中ではNdの効果が著しく300nmではθΚの極大値0.5度が得られた。 3.希土類・遷移金属膜の磁気ひずみ Gd-Fe-Co,Y-Fe-Co各アモルファス膜の磁気ひずみの組成依存性を求めた。Coの多い組成ではGdは正の磁気ひずみを与えていることが示された。一方Feの多い組成については、現在、低温で磁気ひずみを測定し解析中である。
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