研究概要 |
相補的プログラミング環境を実現するために、次のような基礎的検討および予備的なシステム開発を行なった。 (1)相補的プログラミングのための基礎的検討 相補的プログラミング環境の実現には、様々な新しい機能が必要であるが、特に、ユニフィケーションとバックトラック自動消去の問題を中心として次のような検討を行なった。 【◯!1】拡張ユニフィケーション ユニフィケーションは、論理型言語だけでなく関数型言語やオブジェクト指向言語においても極めて重要な概念である。このユニフィケーションを拡張方式を提案し、その実現法を示した。 【◯!2】バックトラックの自動消去 PROLOG,SNOBOLに内蔵されている自動バックトラックは、利用者のプログラミング負担を軽減するなどの優れた性質を持つ一方、実行効率の低下を招く。無駄なバックトラックを実行時に自動的に消去する方式を提案し、その実現法を示した 【◯!3】新しい論理言語の可能性の検討 項書き換え系に基づく推論システムを試作し、その経験を基に、新しい論理型言語の可能性を示した。また、直観主義論理を相補的プログラミングの理論的基礎とすることを検討し;好ましい展開を得た。新しい論理モデルが見つかり、その理論的展開を検討している。 (2)相補的プログラミングのためのシステム開発 この研究の実験設備として設置したLISPマシンSYMBOLICS3670の上に日本語からのLISPプログラム合成システムを試作し、相補的プログラミング環境に日本語プログラミングを取り入れる目途をつけた。また、C言語向きの高機能エディタも試作した。
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