本研究の目的は、本研究者らによって開発された微細磁区観察法、コロイド-SEM法を用いて1μm以下の強磁性超微粒子の磁区を観察し、高保磁力発生の基本である単磁区微粒子を求め、高性能磁石開発の指針を得ることである。昭和60年度では超高分解能走査型電子顕微鏡を購入整備し、これを用いて高性能永久磁石材料であるSm-Co系化合物Sm【Co_5】および【Sm_2】【Co_(17)】微粒子の磁区観察を行い、両者の単磁区微粒子の臨界寸法を決定することができた。実験における困難は単一相の Sm【Co_5】および【Sm_2】【Co_(17)】微粒子を作製することであったが、グリーンコンパクトの配合比および焼結温度の調製により純粹存単一相の微粒子を得ることに成功した。 Sm【Co_5】の単磁区微粒子については484個、【Sm_2】【Co_(17)】の単磁区微粒子については502個の粒径分布を測定して臨界寸法を求めた。その結果、研磨面における測定値の場合、Sm【Co_5】:5.2μm【Sm_2】【Co_(17)】:2.2μm.球形とした時の計算値の場合、Sm【Co_5】:7.7μm【Sm_2】【Co_(17)】:3.3μmの値を得た。 右図には【Sm_2】【Co_(17)】の結果の例を示した。
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