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1985 年度 実績報告書

金属材料の高温破壊に及ぼす結晶粒界介在物の影響

研究課題

研究課題/領域番号 60420046
研究機関東京工業大学

研究代表者

田中 良平  東京工業大学, 国立大(その他), 教授 (80016188)

キーワード引張試験 / 高温変形 / 粒界破壊 / 結晶粒界介在物 / 粒界すべり / 分散強化合金 / 中間温度脆性 / 動的再結晶
研究概要

高温で使用される金属材料の多くは結晶粒界に何らかの介在物や析出物が存在し、それらが高温ほど容易になる粒界すべりを阻止する効果をもち高温強化に役立っている。一方、粒界介在物や析出物のまわりは粒界すべりが起こると応力集中の発生部となり、粒界脆性破壊の原因ともなり得る。
本研究の初年度(昭和60年度)では、モデル材料としてGe【O_2】粒子を結晶粒界に含む銅多結晶を用いて、高温変形・破壊挙動に及ぼす粒界介在物の影響を調べ、以下の知見を得た。
1.粒子径約1.7μmのGe【O_2】粒子を平均間隔約8.4μmで粒界上に分散させた銅多結晶試料を種々の温度で引張変形した結果、約600K付近で破断伸びが極小となるいわゆる中間温度脆性の存在を見出した。またGe【O_2】粒子を含む銅単結晶では延性は温度上昇に伴い室温から900Kまで単調に増加したことより、中間温度脆性は多結晶に特有のものであることを見出した。
2.走査顕微鏡による破面観察の結果から中間温度脆性は粒界破壊と密接な関連をもち、粒界すべりは容易に起こるが動的再結晶はまだ十分に起こらないような温度範囲で出現することを明らかにした。
3.変形速度が遅いほど、また粒界Ge【O_2】粒子が大きいほど中間温度での脆化の程度が大きくなることを見出した。
4.以上の実験事実は、粒界上の粒子近傍での粒界すべりによる応力集中と、その解消過程(再結晶や拡散による)を、粒界ボイドの発生問題と関連させて考察することによって合理的に説明し得た。
なお、本補助金により主要設備として高温顕微鏡と付属の引張装置(ユニオン光学製)を購入し、高温変形の直接観察実験が可能となったこと、また電子顕微鏡用試料電解研磨装置(ストルアス社製)の購入により試料作製の能率が大幅に向上したことも合わせて報告する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 日本金属学会一般講演概要. (1985)

  • [文献書誌] 日本金属学会誌. 50-2. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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