研究課題/領域番号 |
60430024
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
物延 一夫 岡山大, 工学部, 教授 (10032913)
|
研究分担者 |
片山 健一 京都大学, 化学研究所, 教授 (60027068)
山下 祐彦 岡山大学, 工学部, 教授 (20032930)
横山 文義 岡山大学, 工学部, 教務職員 (50174876)
島村 薫 岡山大学, 工学部, 助教授 (80013506)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | ゲル / ポリエチレン / ポリビニルアルコール / ポリ(P-オキシベンゾイル) / ウイスカー / 屈曲性高分子 / 剛直性高分子 / 液晶 |
研究概要 |
高分子を繊維として利用する立場からすれば、これに力学的に優れた特性を賦与することは一つの重要な課題となる。ここでは、汎用の屈曲性高分子ならびにそれとは対照的な剛直性高分子もとり上げ、高強力で高弾性の繊維製造のための基礎的な研究を行なった。 屈曲性高分子では、まず超高分子量のポリエチレンを用い、そのゲルをゲル紡糸/延伸し、延伸鎖に富む繊維を得た。ゲルでは分子間のからみ合いが減じられ、延伸方向によく引き伸ばされた組織が得られる。またこの方法により、製造操作上有利な低分子量物をブレンドしたゲルを用いた場合について、ブレンド比による繊維の形態・構造の変化ならびに実用性の点を検討した。ポリビニルアルコールでは、ハイドロゲルを中心にゲル作成条件とゲル構造・形態との関係を明らかにし、ゲル延伸のための基礎的な問題の解明を行なった。ナイロン12を高圧固相重合し、その延伸鎖結晶の構造等基礎的諸特性を明らかにした。 剛直性高分子では、まず液晶性のポリパラフエニレンテレフタルアミド等について、液晶紡糸による繊維形成過程の解析ならびに生じた固体高次構造の解明を行ない、力学的性質の一層の向上をはかるための問題点を明らかにした。ポリ(P-オキシベンゾイル)をわれわれが見出した組織制御法によりウイスカー形態として合成することに成功した。このことは、他の不溶不融の力学的に優れた剛直性高分子を直接に繊維として合成しうることを示した。球晶の変形の解析を行ない高分子固体を延伸して得られる繊維が力学的に優れない原因を明らかにし、いろいろな方法によって得られる繊維の形態観察も併せて、高性能繊維作成のための問題点を論じた。
|