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1986 年度 実績報告書

生物活性を持つキチン誘導体の合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60430025
研究機関北海道大学

研究代表者

戸倉 清一  北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)

研究分担者 西 則雄  北海道大学, 理学部, 助手 (70001857)
金子 元三  北海道大学, 理学部, 教授 (10000720)
キーワードキチン誘導体 / 生物活性 / 酵素標識抗体法 / ヒロポン / 抗血栓性
研究概要

高純度のキチンを調製し、これをカルボキシメチル化(CM化)して水溶性誘導体とした。このCM-キチンのカルボキシル基へブチルアミンをスペーサーとして覚せい剤のヒロポンを結合させ生体内消化性誘導体とした。この誘導体はフロイントの完全アジュバントと混合して兎背皮内へ注入し抗体産生過程をELISA(酵素標識抗体法)で追跡したところ、3ケ月を最大抗体価とする抗体産生図が得られた。この抗体とハプテン構成成分およびその類似物との支叉反応から、ハプテンキャリヤーのCMキチンには抗体が産生されず覚せい剤部分にのみ認識能を持つ準モノクロナール的抗体の産生が確認された。一方、完全アジュバントを混合しない系では注入後一け月を最大とするごくわずかな抗体産生が認められたのみで、これはむしろ徐放性医薬としての性質を示すことがわかった。この結果は第12回国際糖質シンポジウム(1986年8月、米国コーネル大学)で発表するとともにAnalytical Biochemistry誌に投稿したところ直ちに受理され本年度中に掲載される予定である。また、CM-キチンをアルカリ処理して70%脱アセチル化した誘導体を二段階でスルホン化したところ、一段階スルホン化物はグルコサミン残基のC-6位がスルホン化されていてトロンビンへ優先的に吸着するが、アンチトロンビシ【III】へはわずかしか吸着しない。一方、2段階の反応でC-6位に加えてC-3位も部分的ではあるがスルホン化された誘導体はトロンビンよりアンチトロンビン【III】の方へ最優先で吸着し、効率よく抗血栓性を発現させることが見出された。このアンチトロンビン【III】との吸着複合体による他の凝血因子の活性阻害について現在研究中である。また合成物では避けれない毒性についても、ラットへの静脈注射により調べたが、CM基が導入されている物は全て毒性を示す所見は見出されなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Nishimura;N.Nishi;S.Tokura: Carbohydrate Research. 146. 251-258 (1986)

  • [文献書誌] K.Nishimura;S.Nishimura;H.Seo;N.Nishi;S.Tokura;I.Azuma: Journal of Biomedical Materials Research. 20. 1359-1372 (1986)

  • [文献書誌] S.Nishimura;N.Nishi;S.Tokura: Carbohyrate Research. 156. 286-292 (1986)

  • [文献書誌] 戸倉清一: フードケミカル. 11. 29-35 (1986)

  • [文献書誌] 戸倉清一,西村紳一郎: 蛋白質・核酸・酵素. 31-15. 1621-1631 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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