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1987 年度 実績報告書

生物活性を持つキチン誘導体合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60430025
研究機関北海道大学

研究代表者

戸倉 清一  北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)

研究分担者 西 則雄  北海道大学, 理学部, 助手 (70001857)
キーワードカルボキシルメチルキチン / 特異抗体 / メタンフェタミン / キチンヘパリノイド / 抗血栓性 / 酵素標識法
研究概要

カルボキシルメチルキチンの高い生体内消化性と僅かに認められるマイトジェン活性に注目し血液中や尿中の微量物質検出のための特異抗体産生を試みた. 覚醒剤のメタンフェタミンにスペーサーとしてジアミノブタンを結合させてから水中でカルボキシルメチルキチンに縮合された. この抗原化合物をフロイントの完全アジュバントを混合して兎の皮下に免疫したところメタンフェタミンに特異性の高い抗体が産生された. この抗体は力価が高く,この方法を用いた酵素標識法はラジオイムノアッセイにも匹敵するほどの高感度であった. 現在実用化について検討中である. また, キトサンをスルホン化したキチンヘパリノイドは抗血栓は高いが毒性も高く実用化は不可能とされていた. しかし, 我々はキチンをまずカルボキシルメチル化してから部分脱アセチル化をおこない最終的にNー,Oー,スルホン化することによる抗血栓性を更に高め毒性がほとんどないキチンヘパリノイドを得ることができた. このキチンヘパリノイドはアンチトロンビンIIIという血液蛋白質と3対1の分子比で結合してトロンビン活性を阻害するが最初の1分子結合でほぼ抗血栓性が最大になることが分かった. この力価は, ヘパリンのそれとほとんど変わらなかった. しかし, ヘパリンーアンチトロンビンIII複合体が阻害する血液凝固第X因子とはあまり結合せず, むしろトロンビン特異的なヘパリノイドであることが分かった. このヘパリノイドは生体内消化性がほとんど無いので投与量は少なくてすむ利点があると考えている. カルボキシルメチルキチンの今一つの特性であるカルシウムイオンとの錯体形成能についても研究を進めこの錯体形成能がカルボキシル基とアセトアミド基及び水酸基が形成する特殊な場であることが分かった.

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] S. Tokura; S. Nishimura; N. Nishi; K. Nakamura; O. Hasegawa; H. Seo: S en-i Gakkaishi. 43. 288-293 (1987)

  • [文献書誌] N. Nishi; Y. Maekita; S. Nishimura; S. Tokura: International Journal of Biological Macromolecule. 9. 109-114 (1987)

  • [文献書誌] S. Tokura; O. Hasegawa; S. Nishimura; N. Nishi; T. Takatori: Analytical Biochemistry. 161. 117-122 (1987)

  • [文献書誌] S. Nishimura; S. Tokura: International Journal of Biological Macromolecule. 9. 225-232 (1987)

  • [文献書誌] S. Nishimura; N. Nishi; S. Tokura: International Journal of Biological Macromolecule. 9. 305-307 (1987)

  • [文献書誌] R. Suzuki; N. Nishi; S. Tokura; F. Morita: Journal of Biological Chemistry. 262. 11410 (1987)

  • [文献書誌] 品田利彦(編): "キチン・キトサンの開発と応用" 工業技術会, 390 (1987)

  • [文献書誌] 矢吹稔: "最後のバイオマス キチン・キトサン" 技報堂, 268 (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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