研究概要 |
計画に沿って研究を行ない、南原は「ステロイドホルモン極性代謝」という課題のもとに抱合型カテコールエストロゲンのグルクロニドおよびサルフェートの電気化学検出高速液体クロマトグラフィーによる微量分析法を確立し、同時に酵素的硫酸抱合における位置選択性のpH依存性を明らかにした。さらに二重抱合型エストロゲンの特異抗血清に対する直接イムノアッセイ系を確立した。 山中は「1,2,4-トリアジン誘導体の合成と構造一活性相関」という課題のもとにグリニャール法を適用することによって従来法では合成不可能であった一連の1,2,4-トリアジン誘導体を合成し、これらの血小板凝集抑制効果を測定した結果、インドメサチンをしのぐ薬理作用を持つ化合物を見出すに至った。 高野は「プロスタサイクリンおよび関連化合物のキラル合成」という課題のもとにプロスタグランジンおよびプロスタサイクリンの鍵中間体の大量キラル合成法を検討し、リパーゼを利用することによって効果的なキラル導入法を見出し、コーリー中間体に至る大量合成法を見出した。福本は「アコニチンアルカロイドおよび関連化合物の合成研究」という課題のもとにアコニチンのAEF環系の効率的合成手法の確立を当面の目標とし、分子内ディールス・アルダー反応および分子内マンニッヒ反応の適用によって目的を達成することが出来た。 金子は「β-ラクタム類の合成研究」という課題のもとに2-ピリドン誘導体の光環化反応およびプロピオレート誘導体とシステアミン間の熱環化反応という2種の鍵反応を活用することによってカルバペナムおよびペナム骨格を得る新らたな手法を確立した。 野副は「植物および菌類からの生物活性天然物の単離と構造決定」という課題のもとに有毒担子菌類を中心とする成分研究を行ない、タマシロオンタケおよびニセクロハツより、それぞれ新規変形アミノ酸を得た。 また同時にツキヨタケ成分の酵素的変換研究も行なった。
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