研究分担者 |
住田 正幸 広島大学, 理学部両生類研究施設, 助手 (10163057)
大谷 浩己 広島大学, 理学部両生類研究施設, 助手 (20106800)
近藤 育志 広島大学, 理学部両生類研究施設, 助手 (00033845)
奥本 均 広島大学, 理学部両生類研究施設, 講師 (00033879)
上田 博晤 広島大学, 理学部両生類研究施設, 助教授 (40033865)
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研究概要 |
1.トノサマガエルで,アルビノ遺伝子が2遺伝子座でホモになった個体12種類を成熟させ,それらの黒色素胞を電顕で観察したところ,a^ra^rbb,a^ra^rcc,a^ra^rddのプレメラノソームは,いずれもa^ra^rによって支配されていた. また,a^ra^rdd,a^fa^fdd,bbddでは,プレメラノソームの発達段階がそれぞれa^ra^r,dd,bbで,いずれもddの支配によってプレメラノソームが塊を作ることがわかった. 2.トノサマガエルの正常個体および各種アルビノ系統の個体の色素細胞を培養し,電顕で観察したところ,いずれも黒色素胞だけが増殖した. またプレメラノソームの構造を調べたところ,K_M系統のアルビノでは,in vivroでもin vitoでも大差がないことが確かめられた. 3.トノサマガエルの黒色眼,灰色眼およびオリーブ色の各色彩突然変異について,色素細胞の構造を電顕によって観察した結果,いずれも虹色素胞に含まれる反射小板に異常があることが明らかとなった. 4.ツチガエルで,灰色眼突然変異体と正常個体とのキメラを作り,各色素胞が結合面からどのように移動するかを調べた. その結果,各色素細胞が前方から後方へのみ移動すること,および黄色素胞と虹色素胞とが常に上下に重なって移動し,黒色素胞はそれらよりもおくれて移動することを確かめた. また,トノサマガエルでアルビノの5系統と正常個体との間が多数のキメラを作り,黒色素胞の移動を観察した結果,若い胚ではこれが前方から後方へ体測に沿って移動するが,発生が進んだ胚で作ったキメラでは,ほとんど移動が起こらないことがわかった. 本研究は,昭和60年度から63年度までの4年間にわたる継続研究であって,63年度は当初の計画に従って研究を実施する予定である. 各色彩突然変異を支配する遺伝子について,これが発生の途中の働く過程を分子生物学的に究明したいと考えている.
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