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1988 年度 実績報告書

無尾両生類の色彩およびその突然変異に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440002
研究機関広島大学

研究代表者

西岡 みどり  広島大学, 理学部両生類研究施設, 教授 (20033813)

研究分担者 住田 正幸  広島大学, 理学部両生類研究施設, 助手 (10163057)
大谷 浩巳  広島大学, 理学部両生類研究施設, 助手 (20106800)
奥本 均  広島大学, 理学部両生類研究施設, 講師 (00033879)
上田 博昭  広島大学, 理学部両生類研究施設, 助教授 (40033865)
キーワード無尾両生類 / 色彩突然変異 / アルビノ / キメラ / 黒色素胞 / 紫色素胞 / 黄色素胞 / 虹色素胞
研究概要

1)色素細胞の移動の研究。トノサマガエルで遺伝子座の異なるアルビノのうち、第1群Ra系統、第2群Go系統、第3群Ym系統、第4群Km系統を用い、それぞれのアルビノと正常個体との間で前後キメラを作成した。これらの成体について、アルビノの部分と斑紋予定域に出現する黒色素胞の出現頻度を調べたところ、系統によって著しく異なり、Go系統とKm系統とは特に高く、YmI系統はこれに次ぎ、Ra系統はきわめて低いことがわかった。次にツチガエルで前部が正常の2倍体、後部がアルビノの半数体からなるキメラを作成したところ、黒色素胞が他の色素胞に先立って後部のアルビノの部分に移動し、黄色素胞と虹色素胞とは移動力が弱く、しかも両者が常に一体となって行動することがわかった。ニホンアカガエルで前部が正常、後部が灰色眼突然変異体からなるキメラを作ったところ、前部の黒色素胞は癒合面を越えて後部に少し現われ、2、3年を経ても大きな変化は起こらなかったが、虹色素胞は次第に後部の腹面一帯に広がり、1、2年でほとんど正常の腹面と区別できないほどになった。後部が正常のキメラでは、大きな変化は見られなかった。
2)紫色素胞の研究。アオガエル類の成体の紫色素胞内に含まれる紫色顆粒は、黄色素胞内のプテリノソームに含まれているプテリンー6ーカルボン酸が5分子結合して環状構造となった紫色素を含むことがわかったが、その変化をガラス器内で確認することはできなかった。
3)先祖返りの研究。トノサマガエルのアルビノのうち、第1群のTj系統とFc系統では、白色卵の間に僅少ながら先祖返りをして、正常の色彩をした卵ができる。この卵をTj系統のアルビノの雄の精子で受精させると、F_1は正常の色彩をしたカエルになる。このF_1を成熟させて、再びTj系統のアルビノとの間でF_2を作ると、正常個体とアルビノとが、1:1の割合でできることが確かめられた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ueda,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.7. 1-121 (1985)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ueda,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.7. 123-155 (1985)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ueda,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.7. 157-179 (1985)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ueda,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.7. 181-197 (1985)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ueda,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.7. 199-217 (1985)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ohtani,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.8. 1-27 (1986)

  • [文献書誌] Nishioka,M.: XIIIth International Pigment Cell Conference,October 5-9,1968,Tucson,Arizona.1-11 (1986)

  • [文献書誌] Nishioka,M.;Ohtani,H.;Sumida,M.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo1.9. 1-52 (1987)

  • [文献書誌] Okumoto,H.: Sci.Rep.Lab.Amphibian Biol.,Hiroshima Univ.Vo.10. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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