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1985 年度 実績報告書

Lipophorinの生化学

研究課題

研究課題/領域番号 60440004
研究機関北海道大学

研究代表者

茅野 春雄  北海道大学, 低温研, 教授 (00012253)

キーワード昆虫血液 / リピドトランスポート / ジグリセリド / Lipophorin / Adipokinetic hormone,糖タンパク質
研究概要

Adipokinetic Hormone(AKH)の作用として、次のことが明かとなった。1)AKHをバッタに注射すると、Lipophorinのジグリセリド(DG)の含有量は約3倍に増加し、密度は1.12g/mlから1.065g/mlへとシフトする。但し、密度の均一性は変らない。2)Lipophorinのサイズは直径145Åから217Åへ増加する。そしてサイズは不均一となる。3)AKHを与えると、分子量約2万のアポタンパク質(Apo-【III】)が非共有的にLipophorinと結合する。4)上記3つの変化はすべて可逆的であり、AKH注射後24時間以内で、Lipophorinの密度・サイズは元の状態に戻り、Apo【III】もLipophorinから分離する。以上のAKHのLipophorinに対する作用のうち、密度の均一性の維推と、サイズの不均一性との間に存在る矛盾は、AKHの注射によって、Lipophorin分子が分子間融合をするという作業仮説によって説明される。
続いて、上記のApo-【III】の精製をバッタの血液から行い、それを達成した。硫安塩析、Ultro-gel AcA44によるカラムクロマトグラフィー及びDEAEイオン交換カラムクロマトグラフィーによって、Apo【III】を精製した。その結果、Apo【III】には3つの分子種が存在することが明かとなった。Apo-【III】-a,Apo【III】-b,Apo-【III】-cと命名された。これら3つのApo【III】はSDS-PAGE,アシノ酸組成、免疫化学的には、互いに区別できない。しかし それぞれ異った等電点をもっているため、Native-PAGE,Urea-PAGEによって区別し得る。これら3つのApo【III】の分子量は約19500前後であり、血液内ではモノマーとして存在する。また、Apo【III】は糖タンパク質であり、フュコーズ、マンノーズ、グルコサシンを含む。AKH投与によって、Lipophorin1分子当たり、2分子のApo【III】-a,6分子のApo【III】b,1分子のApo【III】-cが結合する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Journal of Lipid Research. 27-1. (1986)

  • [文献書誌] Journal of Lipid Research. 27-4. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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