研究概要 |
1.筋原線維形成時にみられるアクチン重合因子の解析 前年度以来, 胚の筋に特徴的なアクチン重合因子(19K, 20K蛋白質他)を分離し, その役割の検討を進めた. 新たに分かったことは, 1)19K蛋白質はアクチン重合を抑制するが, ミオシンの存在下では抑制が解除されること2)19K, 20K両蛋白質とも発生の進行につれ減少し, また成長した筋ではアクチンに結合せず細胞質に遊離してて存在すること, 3)胚筋からプロフィリン様の16K蛋白質の分離, 精製に成功したことなどである. 2.筋形成と微小菅 前年度, 培養筋細胞の伸長に微小菅が重要な役割を演ずることを明らかにした. 今年度, 筋肉微小菅の構成蛋白質(チュブリンとMAPs)を解明した. 特にMAPsについて, 電気泳動とイムノブロット法により, 幼若筋には脳のMAPI, MAPIIに類似したものがあり成長につれて消失すること, また免疫細胞化学法により, MAPsが培養筋細胞内では培養初期には細胞質中で線維状に存在するが, 筋原線維形成後は横紋状に存在することを見出した. 3.Cー蛋白質の分化と状縮構造形成 筋に分化, 発達過程で出現するCー蛋白質アイソフォームを二次元電気泳動法により解析した. その結果, 最も塩基性の速筋型(FC)から, 心筋型(CC), 遅筋II型(SC2), 遅筋工型(SC1), の順で酸性側に位散する4種のCー蛋白質アイソフォームが, 親の筋で識別された. これら4種の発現は筋の発達段術に依存した. 即ち, 胸筋の場合, ふ化直後のヒヨコではFCとSC1が発現されるが, 成長につれSC1の消失が起り, 筋の除神経または病変によりSC1, SC2の発現が引き起されることが分かった. 4.胚ミオシン軽鎖(L_<23>について, 蛋白質の構造及び平滑筋, 横紋筋, 神経内での集合, 局在を調べた.
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