研究課題/領域番号 |
60440007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 弘輔 大阪大学, 工学部, 教授 (20028947)
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研究分担者 |
根来 誠司 大阪大学, 工学部, 助手 (90156159)
卜部 格 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029246)
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キーワード | ナイロンオルゴマー分解酵素 / ハイブリド酵素 / プラスミド / アミノ酸置換 / 酵素進化 |
研究概要 |
Flavobacteruum.SP.KI72株のナイロンオリゴマー分解酵素EI、EIIはプラスミドpOAD2上にコードされているが、EIIと類似したアミノ酸配列を有するEII′も同じプラスミド上にコードされており、人工化合物への適応過程における酵素進化を研究するよいシステムになっている。また、類似したアミノ酸配列を有しながら性質の異なる2種の酵素間で、対応するペプチド領域を交換して生じるハイブリド酵素は、アミノ酸置換と酵素機能の相関を研究する上で重要である。EIIとEII′は共に392アミノ酸残基より成るタンパク質であるが、この中で47アミノ酸残基が相違している。EII′はEIIの1/100の酵素活性しかないが、47残基のうち少数のアミノ酸がEIIレベルの高活性を示す。両遺伝子間で共通に保存されている制限酵素サイトを用いて種々のハイブリド酵素を作成して解析したところ、N末端から181番目のGly(EII′)からAsp(EII)への置換が酵素活性の上昇に必須であった。活性上昇にに必須の置換はN末端から258〜380番目のSalI〜BamHI領域にも含まれている。そこでこの領域内で両遺伝子に共通に保存されている制限酵素サイト、SaLI、Sau3AI、NaeI、BamHI、を用いてハイブリド遺伝子を作成し、それぞれをE.coliで発現させ、各種ハイブリド酵素を調整した。このSalI〜BamHI領域には15のアミノ酸置換が存在するが、そのうち、SalI〜Sau3AI領域の2つのアミノ酸置換、Thrー259からGlnとHisー266からAsnが酵素活性の上昇に必須であることがわかった。そこで、この2つの置換を1つずつ持つハイブリド酵素を作成し、Hisー266からAsnへの置換が必須であることを明らかにした。
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