研究概要 |
本研究は3ヶ年の計画で実施されるもので、本年度はその当初年度にあたる。したがって本年度は全体研究計画の樹立と、それにもとづく分担課題内での予備調査の実施と試験区の設定、測定機器の設置等が行われた。調査研究項目として 1.風倒木と地域社会経済との関係2-1.森林土壌調査、2-2.風倒木発生後の林木の再生状況、2-3.林木再生の阻害因子(菌害・虫害)の発生、2-4.風害跡地の森林復旧施業計画3.風倒木処理等の作業功程、4.風倒木発生後および森林再生過程における水、土砂の流出挙動、5.森林環境整備因子の選定 について解析された。これらは何れも並列的に推進され、相互の研究成果を総括化することは容易でないが、個々の研究結果が明確化されることによって飛躍的な成果となるものと考えられる。 1.については労働力の調達、素材の流通等地元を中心として旭川,上川の範囲で行われていることがほぼ確認された。2.については稚樹の発生生育を前提とした土壌調査、広葉樹の生存率等調査され、再生能力の強い樹種等が選定された。また、更新樹種に対する菌害・虫害類の発生状況および対応試験計画が樹立されている。一方、樹種群別直径別直径別本数密度分布等から天然林を数個の林型に大別する等して、風害跡地の森林復旧の施業計画が検討されている。3.については計測機器の整備充実と試験地設定および予備調査が行われた。4.については代表流域3流域について測水所が設置され水文地形解析、水位流量式等の誘導が行われた。5.については森林環境情報の整備を目標とし基礎資料の収集とプログラムの検討が行われた。 以上が各分担課題での研究推進状況であるが本年度は一応予備的準備が完了されたと判断され、次年度は本格的調査研究の段階に這入り得るものと考えられる。
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