研究課題/領域番号 |
60440017
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡部 忠重 東海大学, 海洋学部, 教授 (80138635)
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研究分担者 |
横地 洋之 東海大学, 海洋研究所, 講師 (70119709)
上野 信平 東海大学, 文明研究所, 講師 (80160191)
澤本 彰三 東海大学, 海洋研谷所, 助教授 (90119678)
小椋 將弘 東海大学, 海洋学部, 助教授 (40056073)
小坂 晶也 東海大学, 海洋学部, 教授 (00055790)
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キーワード | サンゴの回復 / サンゴの成長 / 胚発生 / オニヒトデ稚仔の個体数密度 / オニヒトデ幼生の環境耐性 / オニヒトデの成長 |
研究概要 |
1.調査海域全域の目視調査と、3カ所に設置した方形枠内の撮影により、オニヒトデの分布、およびサンゴの分布と回復状況を調査した。オニヒトデは全域でほとんど見られず、サンゴは一部を除いて回復基調にあることが確認された。 2.昨年度からの水深別のサンゴ成長実験を継続し、成長の季節変化と光への依存性が一層明らかとなった。 3.胚発生と温度の関係を、20〜32℃の設定温度で、媒精から2〜16細胞期への到達時間およびふ化時間について観察した。発生所要時間は、32℃で最も速く、20℃ではそれの約3倍を要した。例えば、ふ化は32℃で約11時間、20℃で約33時間であった。卵割の不完全な胚など異常形態の胚の出現は26〜32℃ではほとんどなく、発生は正常に進むと考えられた。 4.2×2m方形枠によるオニヒトデ稚仔の個体数密度調査を11月に行なった。礁斜面、礁原ともに0個体/m^2であり、1986年以降最も低い。 5.gastula,bipinnaria幼生について、温度、塩分、温度と塩分の組み合わせに対する耐性を実験した。50%以上の生き残りを示したのはgastrulaで9.5〜36.0℃、塩分19.1〜55.0、bipinnariaで10.5〜34.0℃、塩分19.1〜56.0であり、これらの要因が組み合わされた場合、生き残り率はさらに低下する。また、成長にともない耐性は低くなる。 6.1986年、1987年級群の成長を追跡した。1986年級群については月令29カ月まで追跡でき、これは野外の個体群としては、現在のところ世界最長記録である。食性変換は月令9〜11カ月、直径15〜25mmで起こる。成長は食性の変換前で2〜3mm/月、後で8〜15mm/月である。満2年で成熟する。 7.4カ年間のDATAを取りまとめ本研究に関する総合的考察を行なった。
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