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1986 年度 実績報告書

T細胞拘束分子の起源と適応分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440037
研究機関東京大学

研究代表者

多田 富雄  東大, 医学部, 教授 (10009136)

研究分担者 柳 雄介  東京大学, 医学部, 助手 (40182365)
浅野 喜博  東京大学, 医学部, 講師 (70114353)
キーワードT細胞クローン / モノクローナル抗体 / T細胞レセプター / 主要組織適合遺伝子複合体 / 遺伝的拘束 / T細胞レセプター遺伝子
研究概要

この研究では、免疫応答統御回路の可塑性をキメラ動物で再現し、回路のシナプスにあたる細胞間相互作用を決定する分子および遺伝子を同定することが目的である。
本年度は、すでに作製したモノクローナル抗I-Jおよび抗Iat抗体を用いて、キメラマウスのヘルパーT細胞が遺伝的な拘束を変化させると同時に、I-JおよびIatエピトープが適応的に表現されるようになることを証明した。まず、各種の放射線骨髄キメラマウスを作製し、ヘルパーT細胞の遺伝的拘束特異性を決定しておいたのちに、これらの抗体で処理することによって、拘束特異性とI-Jが一致することを示した。ついで、このような動物からT細胞をクローン化したところ、ヘルパーおよびサプレッサーのいくつかのキメラ由来のT細胞クローンが得られた。これらのクローンでは、拘束特異性がAおよびEのクラス【II】抗原のいずれかに向けられていても、同じI-Jを表現型として持つことが分った。この事実は、T細胞が胸線内で分化する際に、新しい形質としてのI-JおよびIatを獲得するという、私たちが数年前に予見したことが明確に証明されたことになる。
このような獲得性に形成される分子としては、いまのところT細胞抗原レセプターが知られているが、その異同についてはまだ明らかではない。現在米国デンバー市National Jewish HospitalのR.T.Kubo博士との共同研究で、この分子の同定が進められている。もし新しい多型性分子であることが証明されると、この研究は新しい局面を迎えることになる。
現在、上記の分子の生化学的、分子生物学的研究を進めると同時に、上記の知見をもとにした新しい理論構成を行なっている。また、I-J遺伝子のクローニングもスタートしている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yagi,J.: Eur.J.Immunol.16. 497-503 (1986)

  • [文献書誌] Asano,Y.: J.Exp.Med.165. 87-96 (1987)

  • [文献書誌] Abe,R.: J.Immunool.(1987)

  • [文献書誌] Sano,K.: J.Exp.Med.165(5). (1987)

  • [文献書誌] Tsuji,M.: Eur.J.Immmunol.17. (1987)

  • [文献書誌] Asano,Y.: J.Immunol.138. 667-673 (1987)

  • [文献書誌] Okumura,K.: "Handbook of Experimental Immunology.Vol.2:Cellular Immunology.(Overview:Helper and suppressor T cells)" Blackwell Scientific Publications,Oxford, 71.1-71.7 (1986)

  • [文献書誌] Tada,T.: "Idiotypes.(The Immune circuit:somatic generation of epitopes involved in the mutual recognition by different subsets of T cells)" Academic Press, 2)408(249-26 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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