研究概要 |
1.サブスタンスPは,粘膜下腺に働らき, それを収縮させること,また粉液の産生を増す,この働きは, コリン作動性神経末端からのアセテルコリンの放出を促進するためと考えられた. 2.β遮断薬であるプログラノロール吸入にて, 正常者とは異なり喘息患者では全員に気管支の収縮をみること,このうち70%の者がアトロビンで回善したが,残りのものは改善せず迷走神経の緊張以外の因子が気道を収縮させる要因として働らいていることが判明した. 3.モルモットを用いた遅発型喘息反応(LAR)モデルでの検討では,LARを生じたものでは, 即時型喘息反応のみのものに比べて気道壁に好酸球の浸潤が著明であり, この浸潤がLARの出現に重要な役割を果していることが示唆された. 4.気管支拡張性の自律神経である非アドレナリン作動性抑制神経の知覚受容体は, Cー線維経末および刺激受容体 あり.反射弓を形成していることが明らかとなった.両受容体は,気道の炎症時に活性化され,炎症の進展を制御しているものと考えられた. 5.喘息の患者における気管支のβ受容体の変化につき直接検討したものはほとんどないが,私共は肺症患患者の気管支の生検標本よりオートラジオグラフを作成し,β受容体の肺内分分が減少していることを指摘した. 6.気管支喘息患者において,硫酸マグネシウム(MgSo_4)α群流は,呼吸抵抗を減少させ,呼吸困難を抑制するのに有効であり,発作時の治療としても速効性から優れているものと考えられた. 7 一回の呼吸から呼吸抵抗と共に,動肺コンプライアンスの周波数依存性を測定し,連続してその変化を測化を測定する装置を作成した,これは従来法とよく合致し,有効な方法と考えられた.
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