研究概要 |
1.P388マウス白血病細胞を用いて, Etoposide(VPー16)耐性細胞を樹立した. この耐性細胞は, ビンクリスチン, アドリアマイシン等についても友差耐性を示した. これらの細胞の耐性メカニズムにおいて, Ca^<2+>リン脂質依存性プロティンキナーゼCの役割を検討するために, 細胞の特異的ホルボールエスチルレセプターを調べた. VPー16耐性細胞では, ホルボールエステルレセプター数は, 正常の52.6%にまで減少していることを証明し, これらホルボールエスチルレセプター, プロティンキナーゼCが薬剤の多剤耐性に関係していることを証明した. 2.高速液体クロマトグラフィに, 多波長検出器をつけることにより, チオプリン系抗腫瘍剤の細胞内活性化物質を同定し, これらの活性化物質が, 6ーメリカプトプリン, 6ーチオグアニンでは異なっていることを証明し, 核酸代謝に対しても, 6ーチオグアニンがdcTPプールを減少させるのに対して, 6ーメルカプトプリンでは, デオキシ3リン酸プールは全体に増加傾向であることを確認した. したがって, 6ーチオグアニンは主として, DNAに対して作用し6ーメルカプトプリンでは, チオIMPを介してプリン新生経路を抑制し, RNA合成を, 主として抑性すると考えられた.
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