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1986 年度 実績報告書

抗てんかん薬の作用機序と生体膜脂質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440052
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

宮本 侃治  国立精神, その他, その他 (80159178)

研究分担者 田口 文子  国立精神, 神経センター神経研究所・代謝研究部, 研究員
中嶋 一行  国立精神, 神経センター神経研究所・代謝研究部, 研究員 (50175494)
今澤 正興  国立精神, 神経センター神経研究所・代謝研究部, 室長 (90158767)
キーワードけいれん / 抗てんかん薬 / イノシチドレスポンス / ムスカリン性レセプター / CGMP / ペンチレンテトラゾール / 刺激性アミノ酸
研究概要

けいれん発現と抗てんかん薬作用についてイノシチド(PI)レスポンスおよびその周辺の生化学反応の関連性を追究しつつある。我々がラット大脳の膜画分に見出したフェニトイン(代表的抗てんかん薬の一つ)の特異的結合部位に対する脂質の影響を検討し、脳の各種脂質の中でポリホスホイノシチドのみが上記結合部位と親和性を示すことを認めた。
そこでPIレスポンスとその周辺の反応系について、けいれん発現と抑制との関係を追究した。まず大脳皮質のPIレスポンスはけいれん促進性とされるムスカリン性アセチルコリン(mAch)レセプターのアゴニストであるカルバコール(CCh),高濃度の【K^+】イオン,グルタミン酸により促進された。しかしけいれん抑制性とされるノルエピネフリン(NE)によってもレスポンスは促進され、一方けいれん剤ペンチレンテトラゾール(PTZ)や刺激性アミノ酸のN-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)では影響が認められなかった。これはPIレスポンスがけいれん発現と直接に関係をもつものでないことを示唆する。しかしPTZ,NMDAはけいれん促進性のCChによるPIレスポンスの促進性を阻害し、けいれん抑制性のNEによるレスポンス促進には影響を示さなかった。一方PTZはmAchレセプター結合活性に対し阻害作用を示すが、NMDAではその作用が認められなかった。また最近イオンチャネルとの関連性が報告されているサイクリックGMPをNMDAが上昇させることを認めた。
これらの所見からmAchレセプター,グルタミン酸レセプター,PIレスポンスなどが関連し合い、GTP結合蛋白,イオンチャネルを介して神経細胞内外のイオン動態を変化させる可能性があり、これがけいれん発現と関連することも考察される。またこれら関連物質の放射活性化物を脳内特定部位にMediobio oprical brain tracerを用いて注入し反応を検討する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Miyamoto,K.;Taguchi,F.et al.: Jap.J.Psychiat.Neurol.40. 357-360 (1986)

  • [文献書誌] Miyamoto,K.;Yamagami,S.: Jap.J.Psychiat.Neurol.40. 371-373 (1986)

  • [文献書誌] Kumagai,H.;Miyamoto,K.et al.: Develop.Brain Res.27. 270-274 (1986)

  • [文献書誌] 田口文子,宮本侃治 他: 生化学. 58. 931 (1986)

  • [文献書誌] 今澤正興,宮本侃治 他: 生化学. 58. 773 (1986)

  • [文献書誌] 中嶋一行,宮本侃治 他: 神経化学. 25. 238-240 (1986)

  • [文献書誌] 宮本侃治著,西村健 他編: "「生化学的精神医学」 てんかん" 星和書店, 4)459(380-41 (1986)

  • [文献書誌] 清野昌一,宮本侃治 著,和田豊治 編: "「てんかん薬剤治療の実際」 抗てんかん薬治療の基礎-血中濃度を中心として" 大日本製薬, 307(249-291) (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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